“変身動画のパイオニア”おおしましゅんが明かす、世界を巻き込んでバズを生み出す方法論

おおしましゅんが明かす、バズを生み出す方法論

 ヴィジュアルをガラリと変える「変身動画」で世界中から注目を集めるTikTokerのおおしましゅんが、4月18日に初のフォトエッセイ『今、かわりたいキミへ』を発売した。

 かつて重度の円形脱毛症に苦労した本人だが、いまでは病を乗り越え日本のみならず世界でも活躍する動画クリエイターに。今回はフォトエッセイの発売にちなみ、動画づくりへのこだわりやバズを生むポイント、今後挑戦していきたい活動について話を聞いた。しゅんのこだわりが詰まった動画づくりへの情熱あふれるインタビューとなった。

――初のフォトエッセイ発売にあたって率直な気持ちを聞かせてください。

おおしましゅん(以下、しゅん):僕は芸能人やタレントといった感覚はなく、一インフルエンサーとして好きなことだけをやってきました。好きなことをやり続けて今の活動に至っているので、お声がけをいただいて本を出せることになって、ただただ嬉しいですね。

――このエッセイに関して、特に伝えたかったことや入れたかったコンテンツはありましたか?

しゅん:中学生のときに重度の円形脱毛症を患った経験があるのですが、その当時の話を入れていただきました。実は小学校卒業時にジャニーズ事務所に入りたいと思っていて、ちょうど応募しようと思った時期に円形脱毛症が深刻になってしまったんです。髪の毛がほとんど抜け落ちてしまい、夢を諦めざるを得なかった。でも恩師のとある言葉が回復のきっかけになりました。このエピソードは絶対に入れたいと思っていました。

――しゅんさんは、中国版TikTokの「抖音(Douyin)」もされていますが、世界をターゲットにしながらコンテンツを作ることは意識されていますか?

しゅん:自分の好きなジャンルが「変身動画」で、これがたまたま言語を介さないコンテンツでした。海外を意識していたわけではないのですが、たまたまラッキーパンチでグローバルにウケるんだということがわかって、そこからは海外の人が好きそうなコンテンツもあえて意識して取り入れるようにしています。

――日本のTikTokとDouyinとの違いがあれば教えてください。

しゅん:日本はお笑い芸人さんのYouTubeの切り抜きや、女子高生が制服を着て踊っている青春動画のようなコンテンツが多いですね。一方でDouyinでは「かわいい」や「かっこいい」コンテンツが人気で、日本のアニメや漫画のようなどこか非現実を思わせる動画が好かれるようです。だからこそ、僕の変身動画の黒い背景や煙の演出のような、非現実感やアニメっぽさが海外の人にはウケているようです。

――TikTokのコンテンツにもトレンドがありますが、その辺りは分析して投稿しているのでしょうか?

しゅん:トレンドに関しては、中国と日本でどちらが先というのはないんです。同時期に流行っているものもあれば、中国から日本に入ってきたり、その逆だったり。絶対に中国が先なら、それを日本向けにアウトプットするだけでもいいんですけど、日本で流行っていたものが、ある日突然中国でバズることもあるので、どちらも見ていないとトレンドは掴めないですね。撮った動画をDouyinですぐに投稿するわけではなく、時期を伺いつつ後から投稿したりもしています。実際に僕と妹がベッドに寝転んで変身する動画は中国でやっている人がほとんどいなかったため、僕発信でバズを作れました!

――どうバズらせるかまで考えて投稿しなければいけないということですね。しゅんさんの投稿は衣裳や背景までかなり綿密に作り込まれていますが、撮影方法に工夫はありますか?

しゅん:Douyinの投稿は、それ自体が一つの作品といえるくらいクオリティが高いんです。何時間かけて作っているのだろう、誰に撮ってもらっているのだろうというくらい、すばらしい作品が多い。それに韓国のTikTokerさんは撮影方法を工夫していて、携帯をわざわざ鏡に映して、アウトカメラで撮っている方が多いんです。インカメラだと画質が粗くなるので、それだけ画質を意識しています。海外の方の投稿には常に刺激を受けています。それと、僕自身は100均の霧吹きなども使っています。変身するときに自分自身で霧吹きをかけて水の演出を作っていますが、実に地味な作業です(笑)

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