『今日好き 卒業編2022』5話ーーれおんの衝撃的なお願いとは? 思わずあやのも「恥ずかしい」
れおん「あやのいなかったから正直全然楽しくなくて」
場面は、3日目夜。れおん(丸田怜音)は、かいゆう(千葉海宙)との“半日デート”から、あやの(増田彩乃)の帰りを待つ。2人きりの時間が気が気でないのだろう。れおんはこの日ずっと、瞳に光が見つからない深刻な顔つきのままだ。前述のセリフは、そんな彼の心境を汲み取らず、みるきがあやのの心変わりの可能性を想像して、能天気に発してしまった言葉。あくまで悪気はないものの、これにはさすがにかれん(崎代夏怜)が優しく咎めたほか、悪気はなくとも現実的なラインだったからこそ、れおんの焦燥を掻き立てる。かいゆうとあやの到着後の「やるじゃんかいゆうくん」という何気ない一言もなかなかだった。
「あやのいなかったから正直全然楽しくなくて」
「1秒1分たりともずっと考えてた」
前述のみるきのひと吠えと因果関係があるかはわからぬが、この後すぐにあやのと2ショットしたれおんは、ほとんど涙声混じりで自身の想いを吐露する。どれも言葉の節々に悔しさを滲ませまくりだ。だが、そこに明るい光が。この日に共にした時間はごくわずかだったが、それでもあやのは、れおんと何度も目線が合っていたことに「うれしかったよ」と振り返ったのだ。
そこからのれおんはもう誰も止められない。かいゆうが達成済みの“手繋ぎ”からハイジャンプして、まさかの「ぎゅーしてもいいですか?」というおねだりに。あやのもさすがに「恥ずかしい」を連呼して顔が真っ赤だが、数秒後にはれおんの腕のなかに。れおんくん、キモチはわかるが……気が早いです。
と、最後には元気を取り戻していたれおんだったが、あやのはこの2ショット、そして旅の最終日でも話題にしていた通り、れおんと初日に過ごしたトゥクトゥクでの移動時間を何よりも楽しそうに話す姿が本当に印象深い。きっと、まだ旅の序盤でプレッシャーも軽かったからこそ、純粋に楽しい時間だったのだろう。
そんな時間の蓄積があるからこそ、たとえここまでかいゆうに結果として及ばぬ場面が多くとも、離れ離れになることで、あやのが逆にれおんを意識するという可能性も大いに出てくるのでは。いままでの『今日好き』でも、同様のパターンを数えきれないほど見てきた。物は捉えようだが、楽観的すぎるだろうか。ただ、そのくらい心をふっと軽くした方が、あやのもきっと心穏やかに向き合ってくれそうだ。
「キサラキサラキサラ〜♪」
最終日は“思い出アート”を完成させた後、“最後のアピールタイム”に。思い出アート作りでは最後、メンバーがひとりずつ、いまの想いを自由にキャンバスに描く。前述の歌(あるいはボケ?)は、みるきが海をバックにするキサラ(松村キサラ)を見て謎に口ずさんだもの。とはいえ、その髪がシルクのようだとしても「キサラサラサラ」というボケはいささか安直すぎないか。いや、それがみるきか。
さて、キサラはこの後、しょうた(瀧川翔太)から“完璧すぎるプレゼント”を手渡される。この4日間での撮影写真をまとめた思い出アルバムだ。カメラが趣味のしょうたの才能が活かされつつ、お互いの奇跡を振り返ることができて、何より高校生として等身大な好意の表現として最もたるもの。初めての2ショットや盛り上がったゲームのキャラクター、さらには「キサラのビジュ最強写真」「この服めっちゃドタイプ」などのコメントもかわいらしい。こうして楽しかった思い出を目に見える形で残す=それを読み終える頃には、お互いに好きだというキモチを確認できるといったところだろうか。
申し分がないのは、最後のページが白紙のままだったこと。しょうた曰く、カップル成立した暁には、そこに2人の写真を収めたいとのことだ。なんたるロマンチストぶり。もう考察できる隙間がないほど、完璧なアプローチすぎる。何よりキサラの喜ぶ顔が見たいと、手塩を掛けた時間が女子にとっては第一にうれしいものだろう。いつか床が抜けるほど、2人がこれから2冊目、3冊目とアルバムを積み重ねる未来が訪れてほしいものだが……。