25年ぶりの続編『ソウルハッカーズ2』をめぐりすれ違う、開発とファンの想い

『ソウルハッカーズ2』開発とファンのすれ違い

 2月21日、アトラスは『ソウルハッカーズ2』を2022年8月25日に発売すると明らかにした。

 『デビルサマナー』シリーズに分類される一作として1997年に発売された『デビルサマナー ソウルハッカーズ』。同タイトルの25年ぶりの続編である『ソウルハッカーズ2』は、どのような作品となるのだろうか。

続編発表の『ソウルハッカーズ』。アトラス発・ほかRPGシリーズとの違いは?

『デビルサマナー ソウルハッカーズ』プロモーション映像第1弾

 『ソウルハッカーズ』は、アトラスの人気RPG『真・女神転生』から派生したスピンオフ『デビルサマナー』シリーズの一部を構成するタイトル群だ。1997年、初作となる『デビルサマナー ソウルハッカーズ』がセガサターンにて発売された。ジャンルは本家同様、RPGだが、ネットワーク社会をテーマに据えたシナリオ、前衛・後衛の分類があるバトルシステム、忠誠度と呼ばれるパラメータの存在などで区別がある。1999年にはPlayStationで、2012年にはニンテンドー3DSで移植・リメイク版もリリースされた。今回発表となった『ソウルハッカーズ2』は、初作オリジナル版の発売から25年ぶりの最新作。これまで『デビルサマナー』シリーズのうちの1本という位置づけだった『ソウルハッカーズ』が、四半世紀の時を超え、シリーズとして歴史を歩むことになった。

集まる非好意的な声。なぜ『ソウルハッカーズ2』は“正統進化”しなかった?

『ソウルハッカーズ2』PV01

 2月21日にYouTube上で配信された発売決定記念特番では、その後単独で公開されることになるPV01の内容をイントロダクションに、さまざまな情報が明らかとなった。人の世を見守る人智を超えた存在「Aion」の「リンゴ」と「フィグ」を主人公とする点、主要キャラクターとして2人のほかに「アロウ」「ミレディ」「サイゾー」という3人の人物が登場する点、それぞれがパーティーキャラクターとしてバトルにも参加する点などは、その一例だ。映像内には、『真・女神転生』や『デビルサマナー』、『ペルソナ』(同タイトルもまた、『真・女神転生』から派生したRPGタイトルである)といったシリーズでお馴染みの悪魔も登場。合体と見られる演出も盛り込まれていた。『ソウルハッカーズ』として25年、『デビルサマナー』シリーズとしてでも約15年、新作の登場を待ち続けたファンにとっては、発売を待ち遠しくさせるだけの期待感にあふれた発表となった。

 一方で、初作や『デビルサマナー』シリーズのテイストからすると、『ソウルハッカーズ2』が持つ全体の雰囲気にはギャップも存在する。「無骨で洗練されておらず、“本物志向”」「パーティーメンバーの中心は悪魔」だった前者に対し、『ソウルハッカーズ2』は、(少なくとも現時点で公開されている映像では)『ペルソナ』シリーズの派生タイトルと思わせるかのようなシステム・演出が特徴的だ。

 たとえば、『デビルサマナー ソウルハッカーズ』において、主人公格のキャラクターと複数の悪魔で構成されていたパーティーは、『ソウルハッカーズ2』となり、主人公と3人の人間キャラクターが中心となっているように見受けられる。街を探索するシーン、ショップや業魔殿のUI・演出は、まさしく『ペルソナ』シリーズを彷彿とさせるスタイリッシュなものだ。こうしたテイストを特徴とする作品を、『ソウルハッカーズ』や『デビルサマナー』の系譜に連ねて良いものか。25年の月日によって、より懐古的になったシリーズファンからは、“これじゃない感”というネガティブな声も聞こえてきている。

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