VTuberの活動における、ひとつの“見本”? にじさんじ・葉加瀬冬雪のマイペースな多彩さ

にじさんじ・葉加瀬冬雪の多彩さ

 葉加瀬冬雪が好きなものをひとつ挙げるとすると、やはり漫画ではないだろうか。デビュー当時のSNSや雑談配信のなかでも、何度となく漫画について語ってきた彼女。

 『呪術廻戦』『ブルーロック』『ブルーピリオド』といった大人気作品を筆頭に、『東京エイリアンズ』『灼熱カバディ』『ひゃくにちかん!!』『たいようのいえ』など、幅広いジャンルを読んでいるのがわかる。

 にじさんじにも漫画好きは多く、SNSでオススメ作品を投稿したり、フォロワーからおすすめ漫画を教えてもらったりすることも頻繁にあるほか、「漫画」をネタにした配信をするなど、その愛情はやはり強いといえる。

 集英社の協力のもとに配信された「ニジマンガ編集会議」にも登場。自身のオススメマンガをストーリーへの理解力、そして想像力を活かして面白くPRしてみせた。

【にじさんじ】ニジマンガ編集会議Ⅱ~推しつけ愛編~ 

 「1人でどこまでいけるかというと、カラオケ・焼肉・映画・水族館・動物園に行ったことがある。東京ディズニーランドだって1人で行ってみたい」というほどのアクティブな行動力、関西人らしさを感じるノリの良さ、あれやこれやとアイディアを出せる発想力。

 配信内容に引っ張られるようにどうしてもインドア趣味が集まりがちなにじさんじにあって、アクティブな行動力を持っている。そんな彼女とフィーリングが合ったのが先輩の鷹宮リオンだった。

 2019年8月に2人でコラボ配信をすると、ゲーム配信などでうかがい知れる「おバカキャラ」「ポンコツキャラ」ということでユニット名が「金のバカ銀のバカ」とリスナーからの公募で決まり、少しずつ2人での配信が増えていくことになる。

 2020年2月1日にフレン・E・ルスタリオがデビューすると「ポンコツ気味なキャラクターで銅色に近い髪色が2人にピッタリなので、ぜひ3人コラボしてほしい」というファンの声に応じるようにして、3人揃って「金銀銅のポン」、のちに「▽▲TRiNITY▲▽」として活動していくことが増えていった。

 3人コラボでのゲーム配信のみならず、鷹宮のノリで「オリジナル曲を出そう」と3曲のオリジナル曲を制作したり、3人がプライベートの時間を共にすることも多いなど、持ち前のアクティブな行動力と仲の良さが人づてに伝わり、スタッフから告げられたのがNBCユニバーサル・エンターテイメントからのメジャーデビューだった。

 3人個々が甲乙つけがたい歌声を持つが、葉加瀬は3人の中でも柔らかでクリアな声色でボーカルワークを彩る。それまでにも頻繁に歌ってみた・カラオケ配信をしており、ボカロ楽曲やアニソンを中心に披露してきた歌声はどこか切なさを感じさせる質感で、多くのリスナーに好まれている。

 メジャーデビューを果たした▽▲TRiNITY▲▽として、現在では文化放送の『A&G ARTIST ZONE THE CATCH』で火曜日のメインパーソナリティを務めており、2021年10月6日にはデビューアルバム『PRiSM』を発表。TeddyLoid、GARNiDELiAのtoku、Q-MHz、sasakure.UKと豪華な作曲陣が参加した充実のデビュー作だ。

 メジャーデビューから1年が経過し、VTuberとしても年輪がまた一枚厚くなるなかで、彼女が度々口にするのは「アーティストとして活動をしながらも、配信者としても休まず活動していく」こと。VTuberとしてデビューしながら、シンガーであり、ストリーマーであるという、彼女の見せる姿はVTuberの活動におけるひとつの見本のよう。2月19日に誕生日を迎える葉加瀬冬雪。メンタルや体力を大切にしながら、自分のペースで長く活動してほしいタレントだ。

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