YOASOBI×aiko、川谷絵音×山口一郎など 異色の対談が実現するYouTube×ラジオ番組の可能性

異色の対談が実現するYouTube×ラジオ

「THE FIRST」の前段となるような構想が後にフックアップされた

──アーティスト同士だからこそ引き出せた話もたくさんあるでしょうね。

若林:2021年9月に☆Taku Takahashiさんがマンスリーナビゲーターを務め、SKY-HIさんがゲスト出演されたときに語られていたことは、いまのSKY-HIさんがCEOを務めているBMSGの、構想の前段となるようなことだったりする。おそらく彼の心のなかにずっとあったものが、直接的な表現ではないにせよポロッと出たのは、クリエイターとの対談形式だったからなのかなと自負しています。実際、「THE FIRST」(SKY-HI主催のボーイズグループオーディション)発のボーイズグループBE:FIRSTが決定したときに、くだんのコンテンツの再生回数がまたグッと伸びた。しかもプレデビュー曲「Shining One」の作曲を、☆Taku Takahashiさんが手掛けていたんですよ。だからこそ、この座組の動画の再生回数に影響を与えたのかもしれないなと。

【m-flo / ☆Taku Takahashi】SKY-HIとの音楽談議 / SKY-HI、日高光啓それぞれの姿 / 引退とそれを踏みとどまったSKY-HIの思考【J-WAVE・WOW MUSIC】

──『WOW MUSIC』はYouTubeとラジオという、2つのメディアで作り上げる画期的な番組ですが、今後のメディアの可能性についてお2人はどのように感じていますか?

田邊:J-WAVEとしては、新しい見せ方、放送の仕方をFIREBUGさんにご提示いただけたなと。少し前に弊社は「みえるラジオ」と謳っていたことがありその時はSNSやUstreamを使って、放送中のスタジオを披露するなどのトライをしてはいたのですが、それが『WOW MUSIC』ではもっとしっかりした、明確なコンテンツとして完成できた。そのことは会社全体でも感じていてくれていると思っています。

若林:田邊さんがコンテンツのお話しをされたので、私はビジネス的な側面を補足させていただきます。コンテンツのマネタイズでいうと番組に対するクライアント営業で、「音声だけで伝えます」だけじゃなく「映像もあります」と表現方法を増やして営業ができるのは、幅広い選択肢をクライアントさんにご提示できるのは、可能性としての広がりを感じるところではありますね。

──『WOW MUSIC』は昨年、『J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARD 2021』を開催されました。その経緯についてもお聞かせいただけますか?

若林:最初にお話ししたように、そもそも音楽クリエイターが「よい音楽」をユーザーにシェアしていくというコンセプトのもとに番組が始まっているので、それを体現するような一つのイベントを開催したいという気持ちがあったんです。いきなり大きな規模でやるのは難しいとしても、まずはとにかくやってみたいと。そうした中で、J-WAVEの「特番」という形でやらせていただけたらと思ってご提案をさせていただき、かなりの準備期間を経て無事に開催することができました。実際の番組作りに関しては、J-WAVEさんにかなり入っていただき、構成から何から力になっていただきましたね。

──ノミネートされた楽曲のセレクトについては?

若林:そこはこだわりました。「音楽クリエイターが選ぶ」という番組の独自性を担保するため、そこは譲らずに貫き通せたのは良かったと思っております。ノミネートされた楽曲に関して、「クリエイターが選んでこその内容だな」と曲単位で思うことはそんなにないのですが、その楽曲に対する着眼点に関しては「さすが、音楽クリエイターが選んだ楽曲だ」と思わせる内容になったのではないかと。

田邊:実際、コアな音楽ファンも楽しめるかなり濃い2時間番組になったと思っています。今回、藤田琢己さんと水野良樹(いきものがかり)さんがナビゲートしてくれたことによって、より説得力が出ましたし。

若林:その番組が終わった直後に「二次会」といいますか、スタジオにいながらアフタートーク番組をやらせていただいたのも、まさにYouTubeとラジオ番組がリンクしている強みだと思いました。今回、ラジオ放送と並行してYouTubeでも生配信させていただいたんです。それによって、車の運転中なのでラジオで音声だけ楽しむ人もいれば、家でゆっくり映像付きで観たいと思う人もいて。アフタートークの内容も、単なる「おまけ」ではなく、ここでしか登場しないような、たとえば音楽プロデューサーの玉井健二さんのコメントがあったり、蔦谷さんに生電話を繋いだり、とても盛り沢山な上に司会の2人もとてもなごやかでリラックスした形でやれたのは、アワードとの差別化も作れて良かったのではないかと思っています。

──番組として今後どのようなことにチャレンジしたいと考えていますか?

田邊:まだ構想の範囲内ですが、番組発のイベントはぜひともやりたくて。せっかくYouTubeチャンネルを持っているのですから、生配信イベントでもいいですし。それを我々ならではの内容として実現できたらいいなと思っています。

若林:我々『MUSIC FUN!』としては、スタートこそYouTubeチャンネルを拠点にしていましたが、別にそこにこだわっているわけでもなくて。今後はその特性を踏まえつつ、色々と形を変えながら『MUSIC FUN!』を盛り上げていきたいと思っています。

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