もし飛行機の乗客が同時にジャンプしたら? “もしも”を検証し続けるカナダのYouTubeチャンネル

 架空ドキュメンタリーを提供する、海外のYouTubeチャンネル「What If」。2018年7月にチャンネルが開設され、現在の登録者数は580万人にもおよぶ。すべての動画に明確な科学的根拠があるとは言い難いが、一種のフィクションとして視聴すると非常におもしろい。

 通常は10分弱の動画を投稿することが多いが、なかには30秒程度のショート動画も公開している。気軽に再生できるその特性上、再生回数が100万~1,000万以上にもおよぶショート動画が多い。

What If All Passengers on the Plane Jumped at Once?

 なかでもとりわけ興味の惹かれるショート動画があった。それは「What If All Passengers on the Plane Jumped at Once?(飛行機で乗客全員が一度にジャンプしたらどうなるのか?)」という動画。2021年10月17日公開で現在約926万回も再生されていることから、多くの視聴者が気になっているトピックであるとわかる。

 ベルト着用サインが解除されたのち、仮に乗客全員がなんらかの方法で一致団結し、飛行機で同時にジャンプしたらどうなるのか、というのが動画の趣旨。先に結論をいうと、ほとんど問題はない。

 実はこちらのショート動画、同チャンネルにある5分程度の動画で、同じ内容を詳しく解説している。動画内では、乗客全員がジャンプした瞬間37,500kg(乗客の平均体重を75kgとすると500人分)の重量が飛行機から失われ、同時に飛行機が上昇するという。そして乗客全員が着地した瞬間に、象10頭分の力が飛行機にのしかかる。

 こう聞くと「飛行機が墜落するのでは?」と考えるが、実際は軌道を少し変えられるだけで、ほかはなにも起こらない。なぜなら飛行機は、莫大なエネルギーを生み出しながら時速870kmで進んでいるため、仮に乗客全員がジャンプしたとしても大した障害にはならないから。パイロットは一致団結した乗客にイライラするかもしれないが、それでも軌道を調整すれば問題ないらしい。

 ただし乗客全員がハイペースで、かつ同時に何度もジャンプし続けた場合、話は別だそうだ。「フラッター」と呼ばれる、飛行機の翼が破壊されるほどの急激な振動を引き起こす、危険な現象がある。もし乗客全員のジャンプによってこのフラッターを引き起こした場合、飛行機は墜落する可能性があるという。しかしこのようなことは非現実的なので、乗客全員が手を組んでジャンプさせて飛行機を墜落させる心配はいらないだろう。

 このようにWhat IfのYouTubeチャンネルでは、世の中の疑問について、シミュレーション動画で答えるユニークな企画を多く投稿している。What Ifのチャンネルは、チャンネル名のとおりタイトルが「What If ~?(~したらどうなるのか?)」となっており、高度な編集技術を駆使して興味深いシミュレーション動画作成を手がける。

 実はWhat Ifの運営は「Underknown」という、トロント(カナダ)発の企業が運営している。個人チャンネルとは違い、クリエイター集団が動画を作成している。

What If the World Lost Its Oxygen for 5 Seconds?

 特にショート動画は視聴者に人気が高く、30秒程度で知識を1つ手に入れられるのでおすすめ。たとえば「What If the World Lost Its Oxygen for 5 Seconds?(世界で5秒間酸素が失われたらどうなるのか?)」というショート動画は、再生回数が約1,026万回にもおよぶ。

 What Ifの動画はわりと現実的ではなく、あくまでフィクション要素を含んでいることも多いので、冗談半分くらいで視聴するのがおすすめだ。

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