『バチェラー・ジャパン』S4・7話ーー“追う恋”か“追われる恋”か。黄皓が最後の2人に選んだのは?
これまで女性たちと愛を確かめ合ってきた黄皓は、プーケットの旅の最後に休井美郷(きゅういみさと)、藤原望未(ふじはらのぞみ)、秋倉諒子(あきくらりょうこ)にローズを渡す。そして日本に帰国すると、いよいよ彼女たちの両親と対面することになった。
相手の家族を見るということは、その本人が育ってきた環境や価値観を見ることでもある。直接話しているだけでは見えてこなかったバックグラウンドを、理解できる瞬間でもあるだろう。これまでの旅の様子を見ていると、黄皓は、結婚を当人同士の問題と捉えず「家族と家族」の問題だと考えていることが伝わってくる。女性たちに対しても、自分の両親の話を積極的に話し、家族観についても掘り下げてきた。この訪問は、いわば黄皓にとっては大きなウエイトを占めたイベントだ。そしてその結果は、秋倉が事態を大きくリードしたように映った。
真っ直ぐに黄皓を想い、自分の考えもかなりストレートに伝えられる秋倉の魅力はまさに“素直さ”。それを物語るかのように、父親の敏夫さんもまた非常に真っ直ぐで素晴らしい人格者である。黄皓が敏夫さんと2人きりで話をした時に「自分が弱った時に家族に守られたい」と癒しを求めていることを話すと、敏夫さんは「私がこれだけ守ったから、自分が弱った時に家族に助けてくれとは思わないんですよ。自分がやりたいことをやって家族に喜んでもらえたら、それが私の幸せ」と涙ながらに語る。全く違う価値観でありながら、黄皓を否定せず、それでいて道を指し示す姿に父の偉大なる愛を感じた。
しかし黄皓はここで、秋倉の父からこれほどありがたい話を聞いたにも関わらず、秋倉本人を前にして恋愛相談を始めてしまう。「諒子みたいに愛情を表現してくれる人もいれば、そうじゃない人もいた。側にいてくれる人を愛したい気持ちもあったと同時に、自分を見てない人とも一緒にいたいなという理由のない感情を持ったこともあったし……何が正解なのかな」。秋倉はそんな黄皓に優しく寄り添い、「本能の赴くままですね。それで失敗しても自分の選択だし」と背中を押した。
この問いは、自分に気持ちが向いていないが一番惹かれている藤原と、自分を見ている秋倉とを天秤にかけているようにも聞こえてしまう。秋倉の素直さが際立った回なだけに、自分の身の保身や、尽くしてもらうことばかりに目が向いている黄皓に少し残念な印象を持ったのも事実だろう。