約40年前のホンダスーパーカブC50を完全復元 アメリカのレストア系YouTuberがおもしろい

 廃棄されて使われなくなった車やバイクなどが、洗練された技術で新品同然に復活していくレストア動画は、見ていて感動を覚えるほど。YouTubeで、国内外問わずレストア動画を投稿しているチャンネルは多い。

 その中で、海外のYouTubeチャンネル「Rescue & Restoration」で、日本人にとっても興味深い動画が投稿されていた。それは「1980 Honda Super Cub C50 Full Restoration | Will it run after 41 years!」という動画だ。公開日は2020年6月1日で、再生回数は驚異の約1252万回を誇る。

1980 Honda Super Cub C50 Full Restoration | Will it run after 41 years!

 おそらく廃棄されていた「ホンダスーパーカブC50」を、走れるまで復元するのが動画の趣旨。ホンダスーパーカブC50とは、今から43年前の1978年に販売されたオートバイ。スーパーカブシリーズといえば、TVアニメ『スーパーカブ』で取り上げられたことで人気が急上昇したオートバイだ。オートバイに詳しくなくても、一度は耳にした方も多いのではないのだろうか。

 本動画は4部構成となっており「部品解体」「エンジンの復元」「フレームの復元」「組み立て」の順で、ホンダスーパーカブC50を復元させていく。まずは、部品を工具で細かく解体する。小さなネジまで細かく解体していくが、そのほとんどが茶色く錆びており、とうていレストアできるとは思えないほど。

 部品を解体してエンジンを取り出し、修復にかかる。表面は錆で汚れているのでブラシで磨きながら、すべての部品を取り外していく。エンジン内部の部品はオイルで黒く汚れているので、洗剤を入れた水の中に部品を入れて、1つひとつブラシで磨く。そうすると、見る見るうちに黒い汚れが水のなかに浮き出していき、部品はもとのシルバー色に戻っていった。おそらく、ほぼすべてのエンジン部品を解体して手作業で磨いているので、相当な時間をかけていることが予想できる。

 1つひとつ手作業で清掃した部品は、どれも光沢があって新品同然に見える。これらの部品を再度組み立てなおせば、エンジンの復元は完了。復元が完了したエンジンにガソリンを入れてキックペダルを踏み込むと、見事エンジンがかかった。正確かつ細かな作業に感動する。

 エンジンに続き、次はフレームの復元に取り掛かる。ほとんどすべてのフレームは、表面が錆ついており、状態は悪い。まずはフレームに水をかけながら、エンジンと同じく1つひとつ手作業で磨いていく。あらかたの表面の汚れを落とせれば、電動工具でフレームの表面を磨き、色を落とす。

 まだフレームの表面には、窪みや穴が目立つ。そのため、バーナーでガス溶接して穴を補修したり、パテを埋めて表面を磨くことで窪みを埋めたりしていく。また、元のフレームの色は緑色だったが、今回のフルレストアで新たに赤色に塗装する。これらの作業を経て、そうフレームの復元は完了。

 エンジンとフレームの部品が完了したので、あとは解体したすべての部品を組み立てればレストア完了。新たに復元されたホンダスーパーカブC50のフレームは赤色で、存在感は抜群。男心くすぐられるデザインだ。動画冒頭の錆ついたオートバイと同じとはとても思えず、約40年の時を経て復元したホンダスーパーカブC50は、なお美しさを放っている。
もちろんフルレストアなので、ホンダスーパーカブC50は自走できる。エンジンをかけると発車。最初に少しウィリーしたのは気になったが、おそらく時速40kmほどで問題なく公道を走っていた。

 このようなレストア動画は、海外動画でもほとんど英語が使われない。誰でも気楽に楽しめるのが、レストア動画の魅力なのである。

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