隠しカメラを発見できるモバイルアプリを研究者らが開発
シンガポール国立大学と、韓国の延世大学の研究者らが、スマートフォンに搭載されたToF(Time of Flight)センサーを用いて、隠しカメラを検出するアプリを考案した。このアプリは肉眼はもちろん、カメラ検出器のCC308+や、K18よりも高い精度を誇るという。
近年、ホテルやAirbnbの部屋などで隠しカメラが発見されるケースが相次いでいる。カメラの小型化が進み、専門家でない人々がこれらを肉眼で見つけるのは難しい。この問題を受け研究者らは、ToFセンサーを用いた検出アプリ「LAPD(Laser Assisted Photography Detection)」を開発した。彼らが発表した論文では、同アプリの仕組みが以下のように説明されている。
「カメラを認識するプロセスにおいて、ToFセンサーはパルスレーザーを放射し、ペットボトルなどの物体と、その周囲からの反射光を受け取る。具体的に言うと、物体に埋め込まれた隠しカメラは、レンズセンサーの再帰反射と呼ばれる効果により、入ってくるパルスレーザーを周囲よりも高い強度で反射する。これは、物体に衝突するほとんどすべての光エネルギーが直接光源に反射されるときに発生するものだ。隠しカメラからの高強度な反射により、ToFセンサーの特定の領域が『飽和』すると、黒いピクセルとして表示される。LAPDはこの飽和領域を処理して、カメラとその位置を自動的に識別し、ユーザーのスマートフォン画面に表示する」(一部抜粋)。
研究者らはこのアプリをオープンソース化する予定だといい、いずれはToFセンサー付きのスマートフォンを持っていれば、誰でも利用できるようになりそうだ。盗撮犯らの手口も巧妙になっていく中で、このアプリが盗撮阻止に一役買うことを願う。
(画像=Pexelsより)
■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。
〈Source〉
シンガポール国立大学/延世大学の「LAPD」についての論文
https://dl.acm.org/doi/pdf/10.1145/3485730.3485941