渋谷ハジメがにじさんじ元一期生として苦難を乗り越え、スポットライトを浴びるまで

渋谷ハジメがスポットライトを浴びるまで

 より困難を極めていたのが、当時のバーチャルタレントのシーンは女性バーチャルタレントが圧倒的多数かつ影響力を持っていた時期であり、男性の姿でVTuberをスタートした渋谷ハジメら男性VTuberにとって、どこか隅に追いやられている部分があったことだろう。

 当時のバーチャルタレントといえば、キズナアイ・輝夜月・電脳少女シロ・ミライアカリ・ねこますといった“VTuber四天王”を中心に、富士葵、藤崎由愛、もちひよこらもおり、2018年にはホロライブ・アイドル部・774inc.なども活動が開始していた時期。加えて「バ美肉おじさん(男性が美少女の3DCGモデルやイラストのアバターを用意しそこへ魂として入ること)」という言葉がネットのバズワードととなるなど、とかく「男性のボディモデルがVTuberとして活動する」ことに難しさが先立っていたタイミングだったといえる。

 いまでは当たり前となっているコラボ配信も貴重であり、それも男女同士の組み合わせとあれば「ご法度」なムードが先立つなかで、同期である女性ライバーへのサポートや、当時個人勢として活動していた白百合リリィとのコラボ配信を放送していた。同期の鈴谷アキ、元ゲーマーズの叶・葛葉、元二期生の剣持刀也・伏見ガクらなどドンドンと増えていった後輩の男性ライバーや個人勢の男性バーチャルタレントらとともに、当時のシーンで礎を築くことになった。

 それから約3年、多くの後輩ライバーや男性バーチャルタレントが飛躍してきたなか、念願となる3Dボディを得てライブに出演するなど、2021年は彼にもスポットライトがあたることになった。ここ数年は、自身の不注意・言動がきっかけとなっての謹慎処分も経験し、悩むことも多かったなか、まるで耐え忍ぶかのように彼は活動を続けてきた。ライブ終盤には「夢がひとつ叶ったので、また新たな夢を持ちました。8人で共通衣装でまたライブに立ちたいです」とも語っていた彼が、今後どのような活動をしていくのか注目すべきだろう。

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