「TikTokで本の売り上げが変わる時代」マンガと小説ではどう違う? 書店員はなに聞く、動画と書店現場の関係

TikTok版『マンガ大賞』を企画したい

 出版業界側ではなく、紹介者側に目を向けると、今後どんなことが期待されるだろうか。

「現状、TikTokではマンガに限らず小説や映画でも紹介者というとなぜか男性にかなり偏りがあるんです。でも女性向け作品の紹介動画にも反響はありますから、女性の投稿者が増えてくるともっと盛り上がると思っています。逆にYouTuberでは本紹介や書店員と言えばベルさん、梨ちゃんさん、切実さんはじめ女性ばかりですから、クロスオーバーしたらおもしろい。あとは『ホラーマンガ専門!』みたいにジャンル特化型の紹介者が参入する余地も全然あるので、出てきてほしいですね」

 書店員はな氏自身、次の仕掛けを考えているという。

「TikTokで10万フォロワー超えたマンガ紹介者が僕も含めて3人いるんですけど、この3人で足並み揃えた企画は今のところやっていないんです。だけどいっしょに『2021年TikTokマンガ大賞』的なアワードをやれば、小説で起こった『残像に口紅を』再ブームに匹敵するくらいの『TikTok発プチ社会現象』をマンガでも起こせるんじゃないかと。

 僕の動画に対して『今まで本やマンガを読んでこなかったけど読んでみたらおもしろかったです!』という声を時々いただきます。まだまだそういう人が潜在的にいるはずなので、TikTok上で目立つことでさらに読者人口を増やしていきたい。

 あとは、盛り上がりを見た書店員にTikTokに参入してもらえたら嬉しいですね。『短い文章でインパクトのあることを打ち出す』といった点で、TikTokの動画作りと店頭での販促用ポップを書くことは似ていると感じます。書店現場にいる本紹介の名手たちがこっちに来てもらえたら、TikTok発でもう一段階跳ねる状態が作れると思っています」

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