あの人のゲームヒストリー 第十九回:スリムクラブ・真栄田賢

堀井雄二氏との意外な交友録も!? スリムクラブ・真栄田賢が語る“深遠なるゲーム愛”

堀井雄二とLINE友だちになった意外なきっかけ

――ゲームをやってきてよかったと思ったことは?

真栄田:根性が付いたと思います。特に『ドラクエ2』のロンダルキアの洞窟で。ネットはおろか攻略本さえあまりない時代で、あの鬼仕様。落とし穴はあるわ、強力なモンスターがどんどん出てくるわで、もう泣きながら何回も何回も挑戦しました。あまりにも落とし穴に落ちるもんだから、テレビ画面にマジックで印付けようとして、親父に止められましたね(笑)。そうやって苦しみながら、頑張ってクリアして出口の雪原に立った時には、「諦めずにやればクリアできる」って思えたんです。今思えば、小学5年生の時のあの体験が、初めての成功体験だったんじゃないかな。

――「ドラクエ」に関連した話でいうと、真栄田さんは5月27日に自身のTwitterで、ドラクエシリーズの生みの親・堀井雄二さんにドラクエ35周年のお祝いのLINEをしたと報告されていました。そもそも、堀井さんとはどのような経緯でLINE友だちに?

真栄田:僕、以前営業に呼んでもらった関係で、家庭用ゲームソフトなどを開発する株式会社トーセの代表取締役会長・齋藤茂さんと交流を持たせていただいているんです。その齋藤さんからお誘いいただいた食事会に、堀井雄二さんもいらっしゃったんですよ。僕からしたら憧れの人ですから「嘘だろ!?」ととにかく驚きました。緊張しながら「初めまして!」って挨拶したら、「初めましてじゃないですよ。エレベーターでしょっちゅう会ってます」って言うんです。実は堀井さん、僕と同じマンションに住んでたんですよ! で、3日後ぐらいに家のエレベーターに乗ったら、本当に堀井さんがいたんです。「うわ! メタルキング出た!」みたいに思いました(笑)。そんな経緯もあって仲良くさせていただいています。

――すごい偶然ですね。堀井さんと親交があるのであれば、先日の東京オリンピック開会式の入場曲がドラクエのBGMだった時は、さぞ感動されたんじゃないですか?

真栄田:いやもう、本当に感動して、速攻で堀井さんにLINEしましたよ! そしたら、キラーパンサーの絵文字とギガンテスのスタンプ付きですぐ返信をいただきました(笑)。

――様々なゲームのお話が出ましたが、これまでプレイした中で、3本おすすめのゲームを上げるとしたら何になりますか?

真栄田:うわー! 悩むなぁー! 『バイオ』はまず確実に入ります。あとは『悪魔城ドラキュラ』。グラフィックはもちろんBGMも秀逸で、今でも新幹線で移動中の時は『ドラキュラ』の音楽を聴いてるぐらい好きです。最後の1本はやっぱり『ドラクエ2』ですかね。

――最後の質問です。真栄田さんにとってゲームとは何ですか?

真栄田:今パッと「命」って言葉が出てきました。生きるのに必要なもの。水・太陽・空気・ゲームみたいな。ゲームがなくても身体は生きられるかもしれません。でも、心が死ぬんです。小学生の最初の頃、集団行動が苦手で人間関係がうまくいかず寂しい想いをしましたが、家に帰ればゲームをする喜びがありました。プレイすれば心の充足が保てて、集中していたら何もかも忘れて気づいたらゲームの世界に入っている。バーチャル空間の中に自分の第2の生活の場があるような感覚でした。その気持ちは今も変わりません。今日も子どもの頃と何も相変わらず、家に帰ってゲームをするのが楽しみで仕方がないんです。

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