VTuber界随一の“エンターテイナー” ジョー・力一のトークと音楽にみる個性

エンターテイナー、ジョー・力一の魅力

 彼の魅力としてもう一つ、音楽への愛好ぶりが挙げられるだろう。

 Rain Dropsのメンバーとしてデビューしていることからも分かるように、高い歌唱力もしっかり持っているが、“平沢進縛り”の歌枠をこれまで4回開くほどのP-MODEL・平沢進ファンであり、ライブに足を運ぶほどのB'zファンでもある。

 加えて、サブカルとJ-POPの両極でトップをひた走る2組を愛していることを皮切りに、歌謡曲・70年代フォーク・ニューミュージックといった70年代の邦楽ポップス、大槻ケンヂを中心にした80年代ロックバンド、00年代以降の邦楽ロックなど、彼の高い歌唱力が聴きどころになるはずの歌配信では、バラエティ豊かな選曲そのものでリスナーを驚かせることもままあるほどだ。

邦ロックリレー配信 ver.ジョー・力一

 「邦ロックリレー配信」に2度参加した際には、電気グルーヴ、戸川純、エレファントカシマシなどを披露しているだけじゃなく、いくつもの仕込みを含めたドラマ仕立てな作品として届けてくれたことも踏まえると、「アーティスト」に対する憧れは人一倍持っているはず。それは翻って、自身のVTuberとしての振る舞いやセルフプロデュースへと繋がっているだろう。

 そんな彼が加わっているRain Dropsには、自身とほぼ同時期にデビューし、音楽を初めとしたサブカルチャー全般にあかるく、自身のブランディングをたくみに構築しようと試みているという点で似ている緑仙もいれば、歌への情熱を人一倍に抱えたライバーである三枝明那もいるなど、自身の個性と似通った存在がユニットに、ひいてはにじさんじにはいる。

Rain Drops『エンターテイナー 』Music Video(9/22発売『バイオグラフィ』収録曲)

 コントロールが効いたトーク力、カルチャーへの高い感度、高い歌唱力を持ち合わせたジョー・力一。にじさんじの一員として、ヴァーチャルタレントの代表格として、業界内外のスターたちと切磋琢磨しつつ、どのような“エンターテイナー”へと成っていくのか、楽しみでならない。

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