『ウイイレ』はなぜ『eFootball』に名を変えた? 『バーチャ』『ポケモン』『遊戯王』との共通点から考える

『ウイイレ』はなぜ『eFootball』に名を変えた?

満を持して発表された公式発のデジタルTCG『遊戯王マスターデュエル』

 国産トレーディングカードゲームの王道『遊戯王』シリーズからは、『遊戯王OCG/TCG』をデジタルで完全再現した『遊戯王マスターデュエル』が登場する。リリース時期はまだ未定だが、家庭用プラットフォームなど(PlayStation5、PlayStation4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PC(Steam)、Android/iOS)を対象に、基本プレイ無料で展開される予定だ。

 7月20日に解禁された最新情報によると、シリーズのデジタルゲームとしては初めて4K解像度に対応するほか、現行機のスペックを生かした演出も随所に盛り込まれるという。これまでリリースしてきた各派生タイトルは「キャラクターゲーム」として、『遊戯王マスターデュエル』はトレーディングカードゲームそのものを楽しむ「本格派」として差別化を図っていく構えだ。将来的には同タイトルの活用を軸に、新しいレギュレーションの大会を開催する計画があることもアナウンスされた。世界大会「Yu-Gi-Oh! World Championship」正式種目への採用も目指すという。

 『遊戯王OCG/TCG』を巡ってはこれまで、デジタルで完全再現されている公式発のタイトルが存在せず、一部有志が開発した非公式のソフトが、フリークのあいだで定着していた背景があった。アナログとデジタルのあいだに致命的な乖離があったトレーディングカードゲームの王道は、『遊戯王マスターデュエル』を通じて、正式にeスポーツ化へと乗り出していくのだろう。

 このようにあらゆるジャンルで進む、基本プレイ無料・eスポーツ化の流れ。今後は、さらに多くのタイトル・ジャンルがこれらに追随していくものと予測される。2022年は真の意味での“eスポーツ元年”となるか。定着の夜明け前、その胎動は日に日に強まりつつある。

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