絵が下手でも“写真みたいな”背景が描ける? AIが500万枚の画像から導き出すアプリNVIDIA「Canvas」がすごい

NVIDIA「Canvas」がすごい

ゲーミング環境としては「微温い」レベルでも十分実用に

 このアプリの要求仕様だが、Windows10以外の他にGauGANを使ったニューラルネットワークの計算とレイトレーシングによる描画処理のために「Tensor」コアを使用するため、これを搭載したGPUが必要となり、そのGPUを搭載したグラフィックカードを用意することとなる。

 具体的な製品名で言うと、GeForce RTX、NVIDIA RTX、 Quadro RTX、 TITAN RTXシリーズのGPUが必要ということだ。

 というと結構ハードなゲーミングPCのスペックが要求されているように感じるが、実際のところ、このアプリはそこまで「ゲーミング」バリバリな環境が必要なわけではない。

 ちなみに筆者の使用環境は、CPUが第7世代Core i5-7500・GPUはRTX2060というもの。軽いゲームならなんとか遊べるという程度で「ゲーミング」とは言えないシロモノだ(Windows PCを良く分からない人に説明するなら、2021年7月現在最新のモデルは第11世代でだいたい筆者のマシンの性能はそのだいたい半分程度。GPUの方はTensorコア搭載機では最も安価なGPUといえばわかってもらえるだろうか)。

 これでも人間の描画に、AIの描画がほぼリアルタイムで追随してくるので、実用上差し障りは全くない。

筆者宅PCのグラフィックスボード。PALIT RTX2060という製品で、GeForce RTX2060を搭載している。これさえ積んでいれば多少年期の入ったPCでもディープラーニングもCGANもドンとこい、である。

 要するに、現役バリバリのゲーミング環境でなくても、GPUさえTensorに対応していれば、ちょっと軽いゲームが楽しめる程度のPC環境でも十分にCanvasが使えるということだ(ただ、仮想通貨の高騰を受けてしばらくGPUは価格が高騰しており、RTX2060程度でも新品で購入すると5万円ほどするのがネックといえばネックだが……)。

 なお、Canvasで生成した画像は(AIが手伝ったとはいえ)当然、自分が描いた絵なので、好きなように利用が可能だ。CanvasではCanvas独自の.can形式での保存の他に、.psd形式での画像データのエクスポートできるので、PhotoShopなどでインポートもできる。

Canvasで作ったファイルをPhotoshopにインポートして、ちょいと加工。ここでは雲に飛行機を描き加えてみた。

 もし、絵心が少しでもあって、手近にGeForce RTXシリーズを搭載したゲーミングPC環境が手近に揃えられる余裕があるなら(なあに、デスクトップPCがあれば、あとはGeForce RTX GPUを手に入れるだけだ)、ぜひともこのアプリを試してみてほしい。きっとその可能性に感動することだろう。

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