PS5・Switch間で進む“分断” E3の新作・注目作から考える「ゲーム市場の少し先の未来」

PS5・Switch間で進む“分断”

進む「PS5」「Switch」間の“分断”

 両イベントにおける発表からは、今後ゲーム業界で進みそうな“分断”が見えてくる。ハードのスペックを要求する前衛的なタイトルはPlayStation 5で、(どちらかと言えば)システムに重きを置く古典的なゲームの面白さを探求したタイトルはNintendo Switchでリリースされる傾向が強まりつつあるためだ。この2つの性質の区別は、そのままハードごとの得意ジャンルの違いに置き換えられる。アクションやシューティングは描画性能に秀でるPlayStation5が、RPGやシミュレーションは流通性・プレイ体験に優れるNintendo Switchが、今後プラットフォームの役割を担っていくことになるのかもしれない。

 今回動向が明らかになった新作・注目作で言えば、『ELDEN RING』や『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』、『BABYLON’S FALL』、『BF2042』はどれも高グラフィックかつアクション性の強いタイトルであり、一方の『ゼルダの伝説 BotW2』や『真・女神転生5』、『メトロイド ドレッド』、『パワプロクンポケットR』は、ゲームとしての面白さを根幹に据えるRPG性・シミュレーション性の強いタイトルだ。もちろんそこには、シリーズの誕生当初からソニーや任天堂が専売権・知的財産権を保有してきた作品ごとの事情もある。しかしながら、ゲーム業界でこうした傾向が強まりつつあるのは、否定のできない事実だろう。

 今後は同様の性質を持つタイトルのほか、開発の規模などでも住み分けが進むと考えられる。大きな開発費用が投じられるシネマティックなタイトルはPlayStation 5を、小規模に開発されたインディータイトルはNintendo Switchを主戦場に覇権を争っていくだろう。

 このような2大プラットフォーム間の“分断”は、約30年前、ゲーム業界にあった住み分けと同質のものかもしれない。1990年代主流だった任天堂製のプラットフォーム・スーパーファミコンと、各メーカーから生まれた傍流かつ気鋭のプラットフォームであるPlayStation・セガサターン。四半世紀の時を経て、歴史はまた繰り返すのか。このような視点からゲームカルチャーを見つめていくのも一興かもしれない。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro



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