“G-SHOCK”初のWear OS by Google搭載スマートウオッチは弱点なし?  運動するなら着けないともったいない

G-SHOCK『GSW-H1000』レビュー

『G-SQUAD PRO』シリーズのフラグシップモデル『GSW-H1000』ついに登場

 カシオの『G-SHOCK』といえば世界中で「アウトドアウオッチ」の代名詞と化している。そのG-SHOCK初の「Wear OS by Google」(以下、Wear OS)搭載機が2021年5月に発売された。それが『G-SQUAD PRO GSW-H1000』(以下GSW-H1000)だ。

 型番からも分かるとおり、当機種はG-SHOCKのスポーツライン『G-SQUAD PRO』シリーズのフラグシップモデルとなる。

 G-SHOCKおなじみの耐衝撃と20気圧防水対応のタフネスボディに、高度、気圧、ジャイロ、心拍、GPSといった数々のセンサーを搭載。「ウォーキング」「ランニング」「プールスイミング」から「スキー」「スノーボード」「トレッキング」「ロードバイク」など幅広いスポーツシーンをサポートする機能を充実させたうえ、さまざまなスマートウオッチアプリが対応したモデルとなっている。メーカー参考小売価格は8万8,000円(税込)だ。

 さて、スペックはともかくとして、GSW-H1000を腕に着けてみて思うことは、まず「大きい」ということだ。耐衝撃のための構造だろうが「ゴツい」。そのサイズ、縦65.6×横56.3×厚さ21.3mm(センサー突起含む)。

ゴツい。筆者のげんこつ(これでも成人男性としては大きいの部類に入る手の大きさだ)を比較しても大きいのが分かる。

 とはいえ、実際の時計の大きさより更に大きく見せる、ウレタンパンバーの凹凸デザインは、どこかに多少ぶつかってもウレタンバンパーが衝撃を吸収してくれ、本体を守ってくれる安心感も与えてくれる。フォーマルな場所に着けていけるスマートさはあまりないが、「男の時計」という感じだ。

 また、このGSW-H1000、21.3mmと厚みもかなりある(筆者が普段使っている「mi smart band6」の2枚分くらいか)。しかしまぁ、このくらい厚みがあればボタンを押すのも楽で、例えばグローブを着けていても押せないということはないだろう。そういう意味では、アウトドア派にはこれがいいのかもしれない。

厚みもかなりある。まぁ、これならボタンも押しやすい。ちなみにボタンは写真右から、(計測などの)スタート、電源ボタン、CASIO'S APPSの呼び出し機能に割り当てられている。

 なお、重量は見た目よりは軽く103gで、他のG-SQUADシリーズとそう大きな差はない。裏蓋素材には耐食性に優れたチタンを使用し、チタンカーバイト処理(表面硬化加工技術)で耐摩耗性も強化されている。

Wear OSでデイリーユースが充実

 GSW-H1000が採用した「Wear OS」は、旧称Android Wearといい、最近、Samsungのスマートウオッチに採用されている「Tizen」と統合することが発表され話題となったので、名前は聞いたことがある方も多いだろう。

Wear OSのメニュー画面。Playストアなど、Androidユーザーならすぐに使い方がわかるメニューたちが並んでいる。

 Wear OSは、Androidに近いアーキテクチャとなっていて、Androidアプリの移植やスマートフォンのAndroidアプリとの連携がしやすいという特徴をもつOSだ。実際、GSW-H1000では、「メッセージ」や「Google Keep」といったGoogle製のアプリから「IFTTT」や「Nike Run Club」「Spotify」といったサードパーティー製アプリまでインストール可能になっている。

 Wear OSを搭載したスマートウオッチの最大の恩恵は、スマートフォンとの連携機能が非常に充実することだろう。たとえばメールや電話、メッセージ、SNSなどの通知を手首への振動(と内容も知りたければ手首に表示される内容を読むこと)で知ることができる。

スマートウオッチを使って嬉しいのはなんといってもこれ。メールやLINEの通知が、時計の振動と表示でわかることだ。Wear OSの場合、一部のメッセージは図も表示される。

 GSW-H1000の場合、振動が弱めで若干気付きにくい感がある(G-SHOCK独特のバンパーが影響しているのかもしれない)が、それでも便利なことに変わりはない。

 ペアリングはスマートフォンにアプリ「Wear OS by Google」と「G-SHOCK MOVE」をインストールする必要がある。Wear OS by GoogleはAndroid(6.0以上)・iOS(13.0以上)が必要で、「G-SHOCK MOVE」と連携するためにはBluetooth v4.0に対応した製品が必要となる。

 GSW-H1000は盤面右にボタンが3つ付いていて、上から順に、計測スタート、電源ボタン(ウオッチフェイス表示中に押すと、Wear OS by Googleのアプリのリストが表示)、CASIO'S APPSの呼び出しボタンとなる。Wear OSで使うボタンは基本、ひとつしかないため非常に素直で楽だ。Wear OS搭載機としてはかなり優秀なデザインといえる。

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