1年で1億戸建設も可能? ユニークでおしゃれな世界の3Dプリントハウス事情

1年で1億戸建設も可能? ユニークでおしゃれな世界の3Dプリントハウス事情

 先日、オランダにて3Dプリンターで作られた家への居住が実現し、大きな話題となった。3Dプリントハウスは、建設にかかる時間や費用を抑えられる上、セメントの使用量も減ることから“サステナブル”な建設方法として近年注目を集めている。

 今回は、建築&デザインメディアの『Dezeen』の記事をもとに、世界各国のユニークで環境に優しい3Dプリントハウスを見ていこう。

エコフレンドリーなミニマムキャビン「バイオプラスチックマイクロホーム」

Dezeenより
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 オランダの建築会社、DUS Architectsが作ったのは、環境に良いバイオプラスチックを使用したマイクロキャビンだ。

 外壁の幾何学模様が印象的なこの小さな家は、一般的な3Dプリンターで用いられる、層を重ねていく「熱溶解積層法」で作られている。8平方メートルの室内には睡眠スペースがあり、収納可能なベッドも備わっている。3Dプリンターで作成されたトイレもあるようだ。

泥で作られたドーム型ハウス「テクラ」

Dezeenより
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 イタリア・ボローニャの建築会社、Mario Cucinella Architectsと3D印刷を手がけるWASPの共同プロジェクトは、泥を利用した低炭素住宅のプロトタイプ「テクラ」を建設した。この家は、電力消費をわずか6kWhに抑えながら、200時間で完成させることができる最新の3Dプリンターを使用して作られている。

 ドーム型の2つの部屋が重なり合うように建てられており、広さは60平方メートルほどだという。ガラスのドアとドーム上部の大きな天窓によって、空間に光を取り込むことができる設計だ。近くの川底から運び出された泥は、構造的な安定感をもたらすだけでなく、断熱材としての機能も果たすという。まさに建てるにも、住むにもエコ・フレンドリーな家だ。

わらやもみがらから作られたエコハウス「ガイア」

Dezeenより
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 「ガイア」は、刻んだわらやもみがらなどの廃棄物を混ぜ合わせて作られた家で、こちらもWASPが手がけている。

 3Dプリンターで作られた壁には空洞があり、そこへ廃棄物を詰めることで、断熱材の役割を果たすという。真冬でも家の中は快適な温度に保たれるようだ。ただし適切な管理を行わなければ、家は簡単に生分解され土に還る可能性があるとしている。

1年で1億戸も夢じゃない? インド初の3Dプリントハウス

Tvasta Twitterより
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 インドのベンチャー企業、Tvasta Manufacturing Solutionsは、同国初の3Dプリントハウスを建設した。建物を短期間で3D印刷するために、特殊コンクリートを使用した素材を開発したという。最も一般的とされるポルトランドセメントに基づいた素材とのことだ。

 同社は、この技術を利用すれば、わずか5日で家を建てることができるようになると述べている。開発を主導するニルマラ・シスラマン財務大臣は、「この技術によって5日間で住宅を生産できるようになれば、2022年までに1億戸の住宅を建設することも大きな課題ではないだろう」と期待を口にした。

過酷な条件にも耐えられる「East 17th Street Residences」

Dezeenより
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 建設会社のICONと、住宅開発業者3Strandsは、極端な気象条件に耐えられるように設計された4つの3Dプリント住宅を米テキサス州に建設した。これらの家は、Lavacrete(ラバクリート)という床材で作られており、従来の住宅よりも火災や洪水、その他の自然災害にも強く、カビにくいそうだ。

 この家は今年の冬の嵐でも無傷だったといい、メキシコに建てられた同様の家も、マグニチュード7.4の地震に耐えたという。

新旧テクノロジーが融合したレンガ作りの「カーサコビダ」

Dezeenより
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 「カーサコビダ」は、アメリカの建設会社、EmergingObjectsによって建てられたレンガ製の家だ。コロナウイルス流行時に、カップルが周囲から隔離して暮らすことを想定しているという。用いられた3Dプリンターは2人で持ち運べるほど軽量で、スマートフォンを使って操作できるそうだ。

 中央の部屋はリビング&キッチンスペースで、土製のベンチ2つと暖炉が設置されている。雨や雪が降った際に備えて、室内の温度を保つための膨脹するピンクの屋根も備わっている。EmergingObjectsは、「外側から見ると、このカラフルな屋根によって『咲くサボテン』のようだ」と述べた。

 向かって左の部屋はベッドルームで、右側は浴室となっているようだ。新旧のテクノロジーを組み合わせた、ミニマムな3Dプリントハウスとなっている。

 用途も建設方法もさまざまだが、「建設費用と時間の削減」、また「サステナブル」という点はどれにも共通している。住宅問題の解決に向けて、今後さらなる技術革新が進むことだろう。

(画像=Dezeenより

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://www.dezeen.com/2021/05/14/seven-3d-printed-houses-around-world/

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