「創作の原点に戻れる“遊び性”がある」 森山直太朗に聞く、TikTokを重用する理由

森山直太朗がTikTokを始めた理由

TikTokは遊び心も忘れない、創作の原点に戻れるプラットフォーム

ーーTikTokを使い始めて約2か月経ちますが、直太朗さんにとってこのプラットフォームの面白さ、可能性とは?

森山:何でもやれるし、何でもやっていいと思いますね。思った以上に気楽にやれるというのかな。部室、放課後の教室の雰囲気があるんですよね(笑)。その頃って、誰からも求められないのにいろんなことをやってたと思うんですよ。友達とラジオとかやってませんでした?

ーーやってましたね(笑)。「次の曲は…」とか、勝手に番組を作って。

森山:そうそう(笑)。そういうモラトリアムな感じを記録できるのも、TikTokの面白さだと思うんですよ。見返すと確実に恥ずかしくなるんだけど(笑)、あどけなさ、初々しさを含めて、遊びの延長みたいな感覚でやれるといいますか。YouTubeにもそういう要素はあるんだけど、“遊び性”はTikTokのほうが相当高いんじゃないかな。僕らがやってることも、もともとは遊びだったんですよ。僕と御徒町は曲作りを続けていて、作詞家、歌手としてやってますけど、正直、いまだに実感がないんです。シンガーソングライターとかアーティストと呼ばれるのはくすぐったいし、「ただ面白れえことをやってきただけなんだけどな」という気持ちもあって。それがいつの間にか仕事になって、もともとの純度が先細ってる感じもあるんですけど、TikTokはそれを取り戻せる感覚があるんですよ。

ーー創作の原点に戻れるというか。

森山:そうですね。僕と御徒町は一緒に住んでいたこともあるし、仕事場と称してアパートの一室を借りて、ぼんやりした時間を過ごしてた時期もあって。本当に何もすることがないときに起こすアクションって、めちゃくちゃ強いんですよね。そういう無垢で淡くて甘酸っぱいところって、どうしても内輪感が強くなっちゃうし、仕事においてはあまり必要とされない部分なんです。でも、未完成なアマチュアリズムこそが創作の原点だし、自分たちの強みでもあって。TikTokがそういう場所になっていけば、すごくいいだろうなと思いますね。

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