『今日好き 卒業編2021』第1話ーーあやのの登場に動揺するよしき……2ショットで告げた想いは?

『今日好き 卒業編2021』第1話レビュー

 夕方には、トゥクトゥクに乗って街をクルージング。移動中にもあやのの髪型を褒め、まりを「楽しそうな子」と語るなど人たらしぶりを発揮したりょうた。そんなりょうたの人柄に心を許したのか、まりからは「どうだった? 楽しい?」という選択肢が“イエス”しかない質問が飛び出す場面も。前回の『赤い糸編』から引き続き今回の女子陣にも彼の魅力が自然と波及していく。


 また、はると×すずかは、トゥクトゥクにて隣の席に。すずかが理想のシチュエーションとして、彼氏からコンビニでヘルメットを渡されて、そのままバイクの後ろに乗せられたいという話をしたことをきっかけに、はるとが「免許取りに行く!」と高らかに目標を掲げるなど、こちらもよい雰囲気に。その後に2人きりになった際も、お互いに話していて落ち着く存在だと語っていたほか、はるとは彼女とわずかに離れただけでも「そうも寂しいと思っちゃって」と呟くなど、すでに大切な人としての心境の変化が始まっているようだ。そして、夕暮れ前のビーチに到着すると、全員で「素敵な恋を見つけるぞー!」と宣誓するなど、まさに“キラキラドキドキ”な青春のワンシーンを飾っていた。

 そしてついに、よしき×あやのが2ショット。まずはよしきから、『星空編』での近況報告などを経て、今回はしっかりとイチから恋するべく、キモチを切り替えてきたという重要な話に。だが、いくらその決意を語ったとて「(あやのが)来たから!」と、出来立ての鉄板ネタで爆笑を誘うよしき。本人が自覚していないとしても、これはあやのに「好きです」と打ち明けるのと変わらない。ただ、彼女から出てきたのは「もう一回、頑張ろう」という捉えどころの多い言葉だった。

 よしきこそ、最後には「ちゃんと恋愛しにきた相手だと思って関わってくれたらな」と告げていたが、先ほどのあやのの言葉はおそらく、別の恋を探す意志を示すものだったのではないだろうか。本人にとっては前向きで、よしきには少し辛くなる、想像の余白の多い一言だ。よしき自身もこの旅を通して、あやのとどう接していくのだろう。


 さらに、第1話の極め付けとして、夕食時にはなんと、アイドルグループ・PARADISESのメンバー・ナルハワールドこと、なる(山田なる)が継続メンバーとしてサプライズで登場! 彼女は2020年度初シリーズ『青い春編』に参加しており、これにて『青い春編』から『赤い糸編』まで、7つの旅すべての参加メンバーが集まることに。もはや『オーシャンズ11』や『アベンジャーズ』と見間違えるほど、史上最強メンバーが集結する旅となってしまった……。

 2020年の総決算として、『今日好き』は高校生たちの恋愛を通して何を教えてくれるのか。高校生活、最後の恋愛。彼らの紡ぐ切ない恋物語は、この旅を見守る誰にとっても忘れられないものになることだろう。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

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