桃鉄が令和に大ヒットした理由は「コロナ禍の巣ごもり需要」だけではない
このように桃鉄が実況映えするのには理由がある。
桃鉄はパーティーゲームとしてのバランスが絶妙なのだ。日本全国の物件を買い占めて総資産で勝負する桃鉄は「モノポリー」にも似ているが、運に依存する要素、逆転に繋がる要素が適度に配置されているため、そのゲーム展開はかなり波が激しく、単純な「トップ独走」を許さない。
憑りつかれると一気に資産が滅却されるキングボンビーや、一発逆転できるシンデレラカードはプレイに緊張感を与えてくれる。資産が増えるほどに失うリスクが大きくなるので維持するのが難しい反面、マイナス100億円になっても無料で帳消しにできる徳政令カードのおかげでゼロに戻るのはたやすい。プレイする者も観る者も、最後まで気を抜けず、緊張感を持って楽しむことができる。そのゲーム性は新たに導入されたオンライン対戦機能とベストマッチしており、まさに実況向きのパーティゲームだと言える。このハラハラドキドキするゲームを話術に優れた芸能人が実況することで、まるでテレビのバラエティ番組のような面白さが生まれた。
おそらくコナミは実況を許可することで、ゲーム実況者がプレイ動画を作ることを見越していたのだろう。オンライン対戦は個人プレイヤーを楽しませるだけでなく、マーケティングにも大きく寄与しているに違いない。
■レトロ
昭和の全方位型オタク。最近はサウナがマイブーム。ビジネス系からサブカル系まで幅広くウェブ関係の仕事をカバー。ライター兼YouTuber兼Web制作者で仕事も全方位型 。Twitter/YouTube