ビジュアルとサウンドが産んだ圧倒的没入感  『ENDER LILIES』は“メトロイドヴァニアの新定番”となるか?

圧倒的没入感の『ENDER LILIES』

 一方、『ENDER LILIES』の世界観のもうひとつの重要な構成要素である劇伴は、アニメ『ゴブリンスレイヤー』OPテーマや、アニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』EDテーマなどで知られる音楽集団『Mili(ミリー)』が担当した。トレーラーの中でタイトルバックにあわせて紡がれる、儚く美しいピアノの旋律に心を奪われた人も多いのではないだろうか。同タイトルのメインテーマだと推測されるこの楽曲は、ゲーム中の何気ないシーンでも時折流れ、そのたびにプレイヤーを『ENDER LILIES』の世界に引き込んでくれる。私たちはこの調べによって、まるでリリィに憑依したかのような気持ちとなり、その先の困難へと立ち向かっていくのだ。これこそがBinary Haze Interractiveの目指す世界観なのだろう。ビジュアルとサウンドのマリアージュによって『ENDER LILIES』の世界は、深淵にも似た底なしの魅力をプレイヤーに提示している。

 今後は、製品版が家庭用プラットフォーム(PS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X/S)でもリリースされる予定の『ENDER LILIES』。気になるフリークは一足先にプレイしてみてはいかがだろうか。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

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