わずか1台で終焉した、世界初のノッチ搭載スマホ『Essential Phone』 開発者である“Androidの父”が残した軌跡に迫る

わずか1台で終焉した、世界初のノッチ搭載スマホ『Essential Phone』 開発者である“Androidの父”が残した軌跡に迫る

幻の製品達 

 Essential Productsでは、多くの製品が未発売に終わった。そんな幻の製品達を見ていこう。 

 『Essential Home』は、『Essential Phone(PH-1)』と同時に発表されたスマートスピーカーだ。「Ambient OS」 と呼ばれるシステムを利用し、プライバシーに配慮した内容になる予定だった。もし、発売されていたらGoogle HomeやAmazon Echoの対抗馬になっていたかもしれない。

 続いて、最後まで期待されていたのが『Project GEM』だ。リモコンのような縦に長いシルエット、宝石のようなカラーリング、AIを利用したシステム面など、注目される点は多かった。本機種のリードデザイナーであるClement Puertolas氏の公式サイト (参考:https://www.clementpuertolas.com/)には、デザインから機能面まで詳細が綴られている。 

 最後に、『Essential Phone(PH-1)』の後継機となる予定だったのが『PH-2』だ。カメラ等の改善が約束されていた後継機だけあって、待ち望んでいたユーザーは多いことだろう。さらに後継機となる『PH-3』の開発も予定されていた。

 こちらもデザイナーであるKevin Hoffman氏の公式サイト(参考:https://www.k-hoffman.com/phone-design)に詳細が綴られている。

 未発売の機種の詳細が、各デザイナーの公式サイトに掲載されている様子を見ると、いかに熱を込めて作っていたかが伺えるだろう。しかし、いずれの製品も発売されることはなかった。

生まれ変わったEssential Products 

 Essential Productsは、AppleやSamsungを超えるメーカーになれたのだろうか。

 奇しくも、近年発売されたAppleのiPhone 12は、フラットデザイン、セラミックの使用、磁石による拡張性などの特徴があり、『Essential Phone(PH-1)』に似た印象を受けた人も多いはずだ。 

 もし、彼らが順調に続いていたら、どんなスマホを作っていたのか。近年、そんな”もしも”を実現するかもしれない、うれしいニュースが入ってきた。 

 Essential Productsの元メンバーが再集結し、プライバシーをテーマにした新たな電子機器ブランド「OSOM Products」を設立したのだ。(なおメンバーの中に、Andy Rubin氏の姿はない。)

 残念ながらEssential Productsの製品は引き継がないとのことだが、当時のデザインチームのメンバーが在籍しているため、優れたプロダクトの誕生に期待が持てる。

 元Essential ProductsのR&D責任者であり、代表のJason Keats氏は、2021年後半に向けて製品を準備していると明言した。 

 OSOM Productsは、「Andy Rubin氏のいないEssential Products」ではない。全く新しいブランドとして、スマホ市場に参入する予定だ。プライバシーをテーマに、一体どんな新風を吹かせてくれるのか。今後も彼らの動きに注目したい。

■菊池リョータ
個性派スマホを愛するライター。ガジェット系を中心に記事を執筆。デザイン性の高いスマホに目がない。

参考文献 
https://www.refinery29.com/en-us/2017/10/174521/linda-jiang-essential-phone-designer
https://en.wikipedia.org/wiki/Essential_Phone
https://www.cnet.com/news/android-and-iphones-are-all-about-privacy-now-but-startup-osom-thinks-it-can-do-better/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000781.000005889.htmlhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000781.000005889.html

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