2020.12.01 12:00

人気YouTuberえっちゃんが語る、覚悟の“再出発”「もう人生全部、YouTubeに捧げる」

文・取材＝佐藤結衣、写真＝三橋優美子

初心に返ったコロナショック、もう人生全部YouTubeに捧げよう

――大きなターニングポイントとなった2020年ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で社会が大きく変わった年でもありました。どんなことを感じていらっしゃいましたか？

えっちゃん：そうですね。私の場合は、逆にコロナショックがあったから、環境を変えるという選択肢が出てきたところもありました。コロナ禍には、YouTuberも影響をかなり受けていて。つまり世の中的にいろんな企業さんが活動できないということは、案件動画の依頼もなくなるわけで。ファンの方と接点を持つイベントもできないし……動画を撮る以外の活動が広がっていた分、いろんなことがストップした。それと同時に、芸能人の方がたくさんYouTubeに参入して状況もどんどん変わっていったし、YouTuberたちこそ「ここで生き残っていくためには？」と考えたんじゃないかなって思います。

――ちなみに、えっちゃん家の雰囲気はいかがでしたか？

えっちゃん：もうピリッピリでしたよ。ただ、ピリピリした中でも仲良くなりました（笑）。私が基本的に不安症なので、将来のことを考えすぎちゃって「どうしようどうしよう」ってなっていたんですが、夫はポジティブで、見切り発車なときもあるんですけど、そういうときに「やっちゃえばいいじゃん！」みたいに言ってくれるから、助かっていますね。いい役割分担というか、お互いの良さで支え合えたな、と。

――仲良く過ごす秘訣はありますか？　社会が大きく変わって、みなさん夫婦や家族の中でも距離感が変わったという人もいらっしゃると思うので。

えっちゃん：うちの場合は、コロナ前はむしろ近すぎたというか、お互いを監視して頑張らなきゃ、みたいな感じだったんです。だから、コロナ禍でいろいろと話し合ううちに、いい距離感になったというのが正直なところです。もっとお互いやりたいことをやってもいいんじゃないか、という発想になって。彼も『えっちゃんねる』の編集だけではなく、「実はこういうこともやってみたかった」という話もしてくれて。夫婦の人生もあるけれど、お互いの人生も並行して充実させていこうよって。きっと、あのまま走り続けていたら、そういう話し合いができなかったんじゃないかなとも思います。

――なるほど。ある意味で、いいきっかけにもなったと。

えっちゃん：そうですね。結婚すると、活動が制限されるイメージが多分あると思うんですよ。そのなかで、お互いに許せる範囲で自由にやっていくのが、平和に暮らす秘訣かもしれない。前よりも夫婦としても、クリエイターのチームとしても「本当はこうしたい」っていう思いを伝えやすくなった気がします。さっきもお話したように、私は基本的に不安症なので、その踏み出せずにいる背中を押してくれる良いパートナーを見つけたなって思います。パートナーだけじゃないか、他のクリエイターさんや友達も、みんな「やれやれ！」と言ってくれるので、「じゃあ、頑張ろうかな」って、走り続けることができていると思います。

――だからこそ、新しい環境でチャレンジをしていこうと思われたんですね。

えっちゃん：芸能人の方は芸能人の方で、もちろん素晴らしいですし、YouTubeという世界に今まで見なかった方々も連れてきてくださって、本当にすごいなと思っています。だからこそ今、「YouTuberってすごいんだ！」ということをもっと広めていくチャンスじゃないかと。

　今回、外出自粛になったタイミングで、ロケもできない、イベントもコラボもできない……となったとき、みんな家で一生懸命、動画を撮っていたじゃないですか。それを見て初心に帰りました。YouTuberってそうだったよな、みんな最初は家の中で小さなカメラを置いて頑張っていたよなって。限られた空間、予算の中から“面白い”を届けられる、世の中を動かすエンタメが作れる――それがYouTuberだったじゃんって。

――たしかに。YouTuberのみなさんは、逆境こそ企画のヒントにしていくバイタリティがありますね。

えっちゃん：もう、人生を全部YouTubeに捧げようと思っています。人生を全部載せたところで、私は何も減ることもないし、って（笑）。

――なんと！　消耗していくような感覚にはならないんですか？

えっちゃん：ならないです。全然ならないんだよなあ。生きていることが全部ネタになるし、私が生きていた証になるなって思うくらい。長く続けていったら、まだ出してない顔も出てくるかもしれないですし、そこは私自身も楽しみなところです。もしかしたら見てくださっている人たちからすると「えっちゃんはこういう人」というイメージがあるかもしれませんが、「全部私だよ」というのは伝えたいですね。これから、いろんなことにチャレンジしたり、自分の考え方、自分が将来こうしたいということを行動していくから、びっくりすることもあるかもしれないけれど。全部えっちゃんなので、受け入れてくれたらうれしいなって思います。