フィッシャーズに学ぶ“キメハラ”不在のコミュニケーション 『鬼滅の刃』グッズ開封動画を見て
マンガ、アニメ、映画と、人気が加速し続けている『鬼滅の刃』。「グッズ」にも注目が集まっており、このコロナ禍のなかで、10月にはプレゼントつきのコラボキャンペーンを実施した「築地銀だこ」や「くら寿司」が売り上げを大きく伸ばしたことも報じられている。
他方で、関心を持たない人がその話題を押つけられる(と感じる)「キメハラ(鬼滅の刃ハラスメント)」を問題視する向きもある。「まだ観ていないの?」と冷笑されたり、「鬼滅のほうがおもしろい」と自分の趣味を否定されたり……「ハラスメント」と呼ぶことには賛否あるが、日常的なコミュニケーションのなかでそういうことが実際にあるとすれば、強いストレスを抱えてしまう人がいるのは頷ける。
そんななか、人気YouTuberグループ・フィッシャーズが、『鬼滅の刃』グッズを詰め合わせた“お楽しみ袋”を開封する動画を公開した。
リーダーのシルクロード(シルク)は自他ともに認めるマンガ好きで、『鬼滅の刃』も当然、全巻読破している。それだけに、どんなグッズが手に入るのかと、3000円×3袋、2000円×1袋の福袋にワクワクが止まらない様子だが、同じ画面に収まったメンバーのモトキは作品についてふんわりと知っているものの、ンダホはほぼ知識ゼロの状態。トレンドに敏感なトップYouTuberであり、仲のいいグループとして知られるフィッシャーズのなかでも、『鬼滅の刃』に対してこれだけの“情報格差”があるのがおもしろい。裏を返すと、仲間内の“いじり”も含めて、「キメハラ」的なコミュニケーションが行なわれ得る条件は整っている。
動画のなかで、シルクは「我妻善逸のアイテムがほしい!」と語り、実際にメイクミラー、缶バッヂなど、善逸関連のグッズが当たると、熱を上げてキャラクターの魅力を語る場面があった。
「普段はすげぇうるせぇ奴なのよ。でも『霹靂一閃』って技があるんだけど、構えた瞬間に雷みたいなのが“ビューン!”って出て相手を斬る。蜘蛛の家族と戦ったことがあるんだけど、その時、霹靂一閃・六連という技を出していて、そのアニメーションがめちゃくちゃかっこいい! キメるときはキメる良いキャラクターなんだよね」
と捲し立てるが、ンダホはやや呆気にとられながらも、優しく頷きながらこの熱いトークを聞き、多少の知識があるモトキは「わかりみがスゴい!」と共感するなど、和やかな空気で動画は進んでいく。