Appleが独自の検索エンジンを開発? 果たしてGoogleのライバルになりうるか
AppleがGoogleに代わる検索エンジンを開発している可能性が浮上した。「ググる」といわれるくらい、検索市場で天下をとっているGoogleだが、強力なライバルの出現で、その凋落は、近づいているのだろうか。
米当局のGoogle提訴で、Appleとの蜜月を問題視
アメリカ司法省と11州は10月20日、Googleが検索市場やオンライン広告の独占のために反トラスト法(独占禁止法)に違反したと連邦地裁に提訴した。
当局はGoogleがiPhoneといったAppleのデバイスでデフォルト検索エンジンに設定してもらうために、年間80億~120億ドル(約8000億~1兆2000億円)もの巨額の対価を支払っていることを問題視している。
そしてここに来て「AppleがGoogleに代わる検索エンジンを開発している」と『Financial Times』は報じている(参考:https://www.ft.com/content/fd311801-e863-41fe-82cf-3d98c4c47e26)。
AppleのウェブクローラーApplebotは、ますます活発になっており、iOS14のアップデートにより、ホーム画面からクエリを入力すると、独自の検索結果を表示するようになっている。業界関係者によると、そのウェブ検索機能は、Apple内の開発における重要な進歩を示しており、Googleに対抗する基盤になりうるという。
検索関連の人材獲得にも積極的で、元GoogleでSequoia CapitalのBill Coughran氏は、Appleには検索エンジンを構築できる経験豊富なチームがあると見ている。
元Googleで検索エンジンNeevaの共同創設者Sridhar Ramaswamy氏は、Appleがすでにハードウェアとブラウザーをおさえているため、検索への移行は自然な流れだと考えている。Appleはこれまで、iPhone、AirPods等、プロダクトの重要なコンポーネントのコントロールを強化してきた。
検索エンジンの構築は、技術的に非常に難しいが、クラウドコンピューティング・インフラとオープンソース・ツールのおかげで、以前ほどではないという。しかしコロンビアビジネススクールのDan Wang准教授は「Googleには、無数のユーザーフィードバックで結果を調整・改善できるデータの規模でアドバンテージがある」と述べる。
Appleが2012年にApple Mapsをローンチした際には、エラーが頻発するという問題が発生した。すぐにGoogleを凌駕することはないだろうが、長期的にみれば期待は持てる。