10代大学生が初めてのワイヤレスイヤホンを『Beats flex』にした理由
筆者はこれまでずっと、ヘッドフォンに固執してきた。耳がすっぽりと覆われることが安心で、鮮明な中低音で耳が持ち上がるような感覚が好きだったので、イヤホンは物足りないように感じていたからだ。また、ピアスなどを買ってもすぐ失くしてしまう人間なので、Air Podsをきちんと管理できる自信がなかった。ニューヨークの地下鉄がAir Podsの使用禁止を検討したり、昨年、BTSの“破壊神”ことRMが、とある生放送で「33個目のAir Podsを失くした(総額60万ほど)」と爆弾発言をしたのを見たせいで、余計に不安になったのである(関連記事:「AirPodsに紐をつけることは”矛盾している”のか ダイソーの「シリコンストラップ」から考える」)。紛失しにくいイヤホンで、音質的にも機能的にも欲しくなるようなものが出たら、その時は購入しよう、そう心に決めていたのだった。
そんななか、先日、Beats Xの安価ver.とも言える『Beats flex』が、5,400円(税別)という驚きの価格で販売された。学生にとっては、オーディオ機器にこだわってみたい、ワイヤレスイヤホンに手を出してみたいと思っていても、なかなか初手から高価なものを購入するのは勇気がいる。どの会社のどのシリーズが、自分が聴く音楽のジャンルに適しているか、自分の耳にピッタリはまるのか、自分が求めている音質なのか……といったことは自ら判別したいところだが、なかなか金銭的にも高価な機器をいくつも購入して比較するわけにはいかない。そんな若者が求める需要のストライクを突いてきたのが、今回の『Beats flex』であった。筆者は「Beats」+「5,400円」という字面に飛びついてしまったタイプの人間だが、買っておいて正解だと思えるような、機能性の高いオーディオ機器である。
『Beats flex』の機能性を普段使いの視点からチェック
『Beats flex』の一番の良点はその機能性だ。形はネックケーブル型なので、パッと声をかけられたときでも耳から外してすぐに手を貸すことができる。しかも、この『Beats flex』のハウジング部分(耳に入れる本体)にはマグネットが組み込まれており、両耳のイヤホンを外せば勝手に胸の前でくっついて、“音源が自動停止”される仕組みになっているのだ。イヤホン同士を外せばまた再生が開始され、ポケットにイヤホンをしまう必要もない(筆者はこうしたときによくものを失くす)ので、この点においてはコードレスよりも使い勝手が良いといえるだろう。
ただ、『Beats flex』の自動再生/停止機能に関して、ひとつ注意してほしいことがある。この機能は、再生機器のバージョンを最新のものにしなければ稼働しない仕組みになっているという点である。筆者は最初、何度イヤホン同士を磁石で接続しても音源が止まらないために、初期不良を疑ったのだが、のちにこのことが発覚してソフトウェアを最新のものにアップデートしたところ、問題なく機能を使うことができた。
また、デザイン性に関しても『Beats flex』は高いレベルを提示しており、Beatsシリーズお馴染みの「b」の太字が、小型なイヤホンの表面に映えている。確かにコードがあるのは少し扱いにくいかもしれないが、面倒ならばシャツの内側に隠してもいいかもしれない。シティポップ好きのファッションによく合いそうな予感もする。紛失が怖いけれどデザイン面も諦めたくない、という人には是非お勧めしたいイヤホンである。