Snow Man、NiziU、JO1……2020年の顔にとって“ネット番組”はブレイクに欠かせない?

2020年の顔は“ネット番組”が必須?

 今年も残すところ約2ヶ月半。振り返ってみると、2020年は多くの大型グループが誕生した。ジャニーズ事務所からはSnow ManとSixTONESが満を持してCDデビュー。合同でリリースしたデビューシングル『Imitation Rain/D.D.』はミリオンセールスを達成するなど、高い人気を見せている。SixTONESはYouTubeの「アーティストプロモキャンペーン」への抜擢と親和性の高いYouTubeチャンネルでの活躍やSNSを使ったプロモーション、Snow Manは9人の個性を活かした活動やテレビ番組出演など王道ジャニーズタレント的活動でファンを増やし続けている。

 さらに、韓国発のオーディション番組やリアリティ番組から輩出されたグループが多かったのも、2020年における特徴の一つだろう。多くの人々に希望と夢を与え、大人気だった『Nizi Project』からはNiziUが登場。12月2日の正式デビュー前にもかかわらず、プレデビューのデジタルミニアルバム表題曲「Make you happy」はMV公開2ヶ月で1億回再生を突破する人気ぶりである。また観察型リアリティ番組『I-LAND』からはENHYPENが誕生し、2020年内のデビューに向けて準備中。ファンクラブ名も「ENGENE」に決まり、本格始動し始めたところだ。そして、『PRODUCE 101 JAPAN』からはJO1が誕生。デビューシングル、2ndシングルともに売上は好調で、11月25日には早くも1stアルバム『The STAR』がリリースされる。昨今ではほぼ毎日のようにテレビ番組や雑誌、イベントなどに出演しており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている。

 こうして2020年に注目を浴びた彼らを見ると、その多くがネット番組を持っていることに気が付く。そして、それらは旧来の“ネット番組”というイメージでは括れない、良質なコンテンツに仕上がっている。例えば、Snow Manの『それSnow Manにやらせて下さい』(Paravi)。メンバーたちが様々なミッションに挑戦しつつ、視聴者が知りたい情報を届けるというバラエティ番組だ。その企画の多くでSnow Manたちは体を張ったチャレンジをしており、“肉体派ジャニーズグループ”の彼らにピッタリ。時に、企画へがむしゃらに立ち向かう姿は笑いにもつながっている。番組スタッフや天の声とのやり取りも面白く、どこかKAT-TUNの冠番組『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』(TBS系)と似た雰囲気も感じる。ジャニーズタレントとして長年経験を培ってきたSnow Manの実力、そして先輩グループから受け継いだノウハウが合わさり、Snow Manメンバーの持ち味がより活かされる内容になっているのではないだろうか。

 NiziUは『Nizi Project』終了後、メンバーのロングインタビューと9人で1人のメンバーについて熱く語る『NiziU 9 Nizi Stories』(Hulu)を配信。約1時間、メンバ一人ひとりにスポットを当てた内容になっており、彼女たちをより深く知ることができる内容だ。過去の振り返りもたっぷりあり、NiziUを応援する上で欠かせないオーディション中の彼女たちの成長、少しずつ芽生え始めた絆や友情をじっくり味わうことができる。「虹プロを見ていなかった」「NiziUが気になり始めた」という人にとっても見やすく、正式デビューまでにNiziU誕生の背景をおさらいするのにうってつけではないだろうか。

 そして、JO1の『JO1 スターギャザーTV』(ABEMA)。JO1にとって同番組は『JO1 HOUSE』シリーズに続く2つ目の冠配信番組だ。番組作りの経験を積んできただけあり、デビュー約7ヶ月とは思えないほど濃い内容に仕上がっている。JO1といえば、パフォーマンス時はパワフルなダンスと歌、クールな表情など“かっこいい”要素がてんこ盛りだ。だが、『JO1 スターギャザーTV』では彼らの“かわいいい”要素や、“愛すべきポンコツ”要素が味わえる。パフォーマンス時とのギャップに、#2でサポートMCを務めたNON STYLE・井上が「しゃべらん方がええで」とツッコミを入れるほどである。

 無料で楽しめる通常配信は10月19日時点で2話配信されているが、いずれも世界で活躍するJO1と同世代の才能の塊「ゲンセキさん」からパフォーマンスや心構えを学んでいる。例えば、ゲンセキさんのスゴ技を見て、全員素直に驚いてはしゃいでいる姿はとにかく愛らしい。ゲンセキさんに技をレクチャーしてもらいチャレンジもするのだが、想像以上の“愛すべきポンコツ”っぷりを発揮する時もしばしば。とはいえ、なんだかんだ形にしてしまえるところは過酷なオーディションをかいくぐってきただけある。かっこいい部分も愛すべき部分も見え、しかも思わず笑ってしまうポイントも盛り込まれている同番組は、JAM(JO1のファンネーム)ならずとも楽しめる番組ではないだろうか。

 昨今、地上波放送番組とネット番組の境はどんどんなくなってきているように感じる。もちろん、上手く棲み分けをしながらということになるが、メンバーたちの素が垣間見えるネット番組は、これから活躍が期待される新しいグループにとって欠かせないツールになっていくのではないだろうか。

https://abema.tv/channels/abema-special/slots/FC7y9MxPuYjC31
https://news.yahoo.co.jp/articles/06698bedc76678f39f80d5eb5d27ddaffb01246e
https://twitter.com/sore_snowman
https://www.paravi.jp/watch/59941
https://www.hulu.jp/watch/100060691

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる