人気YouTuberふくれなが語る『ドブ女の逆襲』に綴った赤裸々な思いと“逃げ道を作る大切さ”

人気YouTuberふくれなが語る『ドブ女の逆襲』に綴った赤裸々な思いと“逃げ道を作る大切さ”

 女子高生を中心に絶大な人気を誇るYouTuberふくれな。M君とのカップルチャンネル『えむれな』としても多くの支持を得ている彼女が、初の書籍『ドブ女の逆襲』を発売した。

 顔に対するコンプレックス、複雑な生い立ち、スクールカーストやSNSとの付き合い方の戸惑い、そしてM君との出会い……普通の女子高生だったふくれなが、大人気YouTuberとなるまでの葛藤の日々が綴られたエッセイ本だ。

 メイクをきっかけに自分の人生を切り拓くことができた彼女らしく、表紙は「半顔メイク」の写真を使用。タイトルの配置など、ふくれなのこだわりが詰まった仕上がりになっているという。しかし、YouTuberとして日々動画をアップしている彼女が、なぜ今書籍という形でメッセージを発信することになったのか。この本にかけた想いを聞いた。(佐藤結衣)

本ならナイーブな話もまっすぐに伝わると思った

――『重大発表!』のライブ配信で書籍発売を発表されたとき、「昨秋くらいに出版社の人から声をかけていただいた」とおっしゃっていましたが、その提案を受けたときの率直な気持ちはいかがでしたか?

ふくれな:最初は迷いましたね。以前、M君とカップルでフォトブックを出させてもらったんですが、こういう書籍は初めてだったので。やるなら、赤裸々に語ったほうがいいなと思ったんですが、何をどこまで言うべきかも悩んで。M君に相談したら「もういいんじゃない?」って(笑)。いろんなことがあったけど、結構時間が経っているから、もう大丈夫でしょって言ってくれて。それで「はい、やります!」って覚悟が決まりました(笑)。

――書籍を出すというのは、ふくれなさんのやりたいことの一つではあったのでしょうか?

ふくれな:そうですね。いつかは……みたいな感じで考えていたんですが、まさかこんなに早く実現するとは思っていませんでしたね。でも、みんなに知ってもらういい機会だなとも思いました。ターニングポイントになるのかなって。

――ライブ配信の中で、本が苦手な人でも読みやすいようにしたとお話していた通り、スラスラと読み進めやすい内容でした。書く上で、気をつけていたことはありますか?

ふくれな:私自身も本を読むのが得意な方ではなくて……だからYouTubeが好きっていうのもあるんですけど、読み始めても途中であきらめちゃうみたいなことがあったんで。私みたいな人でもパーッと一気に読めるように、1つ1つの章も短めにして、無駄なことは言わずに、伝えたいことをギュッと詰めるようにしました。

――書くほうは、スムーズに進んだのでしょうか?

ふくれな:そうですね。テーマが決まったら、1ヶ月くらいで書き終わりました。そこからいろいろと調整したりして、3〜4ヶ月くらいで作った感じです。M君と出会う前の、YouTube始めたころとかは辛かったというか、今思い出すのはいいんですけど、その時はすごくイヤだったので。当時、関わっていた人たちにも知られるかもしれないと思うと、書くのが難しかったです。

――YouTuberとして、動画でダイレクトにメッセージを発信することができる中で、書籍だから伝えられるものがあるところもありますか?

ふくれな:私のチャンネルは、メイクで明るく変えていこうみたいな、基本的に明るくプラスなイメージでやっているので、容姿のこととかナイーブな話をあまりしたくないっていうのはありました。いきなり真剣にYouTubeで語っちゃうと、重たくなっちゃうっていうか。コンプレックスを抱きすぎてる人っていうイメージができちゃう可能性もあったので。

――たしかに。いつものふくれなさんのテンションを期待して、動画の更新を待ちわびていた人からしたら「今日の動画どうしたの?」と心配になってしまいそうですね。

ふくれな:そうなんです! 今までと違いすぎて、「病んでるの?」って思われてしまったり、「何かに影響されたのかな」とか、本来伝えたいことじゃないところに意識がいってしまいかねないと思って。それが本になると、私のことが好きな人や、もっと知りたいと思ってくれる人にまっすぐ伝わるんじゃないかなと思いました。

M君の愛あるイジりだから気に入った「ドブ女」

――『ドブ女の逆襲』というタイトルと、この半顔メイクの表紙でインパクトのある作品になりましたが、これはふくれなさんのこだわりだったそうですね。

ふくれな:タイトルだけで見たら内容がわからないと思ったので、半顔メイクをすることによって「顔のことかな?」って思ってもらえるようにしました。タイトルも文字がちょっと迫ってくる感じにしてもらって。

――ひと目で内容が伝わってくる感じといい、インパクトといい動画のサムネイルのようですね。

ふくれな:あー! たしかに、YouTuberっぽさが、ここにも(笑)。

――本の中で、すっぴんを披露するまでの葛藤が書かれていたので、それを読んだあとにこの表紙を見ると、またグッとくるものがありますね。

ふくれな:そうですね。今はもう堂々と出せるようになりました。実は、裏表紙にもちょっと仕掛けがあって。すっぴんとメイクの顔とがもう少し楽しめるようになっています。

――こういう仕掛けも、本ならではという部分ですよね。それにしても“ドブ女”という一見ショッキングな言葉を「気に入っている」というのは、やはりM君由来の言葉だからでしょうか。

ふくれな:それはあると思います。“ドブ女”って、もともと私の顔のことではなくて、息が「ドブ納豆みたいなニオイ」って言われたことがきっかけなんです。ドブならまだ許せるっていうか。ブス女はダイレクト過ぎてムリですけど、ドブってまだ可愛いかな、みたいな(笑)。

――この本にはM君の章もありますね。読まれてみていかがでしたか?

ふくれな:文章にすると冷たいように見えますけど、M君のニュアンスとして読んだら「たしかに、M君が言いそうなことだな」「好きでいてくれてるな」って思いましたね。

――日頃、お手紙やメッセージを伝えあうことは?

ふくれな:私は連絡がちょっと……めんどくさいタイプ(笑)。なんですけど、M君のほうが連絡がマメで。ちょっと離れたりすると「何時に帰ってくるの?」「何食べたの?」とか。好きっていう感情が伝わってくるんですよ。私が聞かなくても、向こうから「今日はこれを食べたよ」とか、すぐに電話をしてくれたりとか。

――離れていても興味を持ってくれたり、相手の頭の中に常に自分がいるって思えると、愛されてるって感じますね。

ふくれな:ですよね! だから日頃から愛情を感じているんで、「ドブ女」とか言われても、それはもう愛のあるイジリとしてわかるんですよ。やっぱりそういうイジりと、悪ノリっていうのは違いますから。それに、自分でどうしようもできない顔のことを言われても傷つくだけですけど、口臭だったら治せるじゃないですか。

どうしようもないことを考え過ぎるより、次頑張ろう

――自分で変えられないところと、変えられるところとで、受け止めるものが違うということですね。

ふくれな:そこがメンタル的に強くなった部分かもしれません。今では顔もメイクとか整形とかで変えることができるかもしれないけれど、他人がどう言うかっていうところは変えられないじゃないですか。だから、自分自身がいいと思うものに対して、いろいろ言われるのは、もう変えられない部分って思って「悩んでも仕方ない」って思うようになりました。動画のコメント欄でも「今日顔めっちゃむくんでるね」ってあったら、気になりますけど「ま、次可愛く映れるようにしよう」みたいな。傷つきやすかった時期に比べると、その整理がうまくなったような気がします。

――それでも、傷つくコメントはありますか?

ふくれな:もちろん。「そんなんマジに言わんといてくれや」っていうコメントもあります。でも、そういうことを言う人がいれば、「可愛いね」とか「こういうところが好き」って褒めてくれる人もいるんですよ。悲しい気持ちになったときは、私のことを応援してくれるリスナーさんの声や、M君の声に耳を傾けるようにして、癒やされてます(笑)。

――過去にも、全日制の高校から通信制の高校へと「逃げ道」を作ったことがありましたね。今の世の中、自分で心を守るために「逃げ道」を作るというのはすごく大切なことだと感じたのですが、ふくれなさんはどのように意識していますか?

ふくれな:信頼できる人に相談するようにしています。好きな人の意見なら受け入れられるというか。そういうところあるんですよね。基本的にポジティブな性格ですけど、選択の過ちをしたくないっていつも思っています。だから、通信制高校のときも、学校をやめたいけど、高校卒業資格も取りたいって、先生に伝えたんです。そしたら通信制高校っていう道を教えてもらえて。そこから自分でいろいろと調べて、編入を決めました。どうしようもない状況を考え過ぎても何もならない。次のところで頑張ろうっていうのは、ずっとあったように思います。

――お父様と一緒にYouTube動画を撮ることになった流れも大きな転機でしたね。動画を見て、下の名前を呼び捨てにしていたのには驚きました。

ふくれな:そうですよね(笑)。昔からお父さんは親だから威張るみたいなこともなくて、本当に友だちみたいな感じなんです。親子で撮った動画の企画は、お父さんから「こういうの面白いんじゃない?」って提案してくれたものばかりです。再生回数とか見ながら「これ結構見られてるね」みたいな振り返りもあって、結構意識高い感じでした。

――一般的な親子の関係性とは違うということについては、何か思うことはありましたか?

ふくれな:うーん、何もかまってくれないお父さんとは違うので、それは逆に良かったなって思います。私のYouTubeのスタンスを理解してくれて、悩んでいたときに「一緒にやろうよ」って言ってくれるのは、うちのお父さんしかいなかったんじゃないかなって思うので。そこは、よかったと思っています。

――お母様や、ごきょうだいは、ふくれなさんのYouTube活動をどんな風におっしゃっていますか?

ふくれな:最初はイヤだったみたいですね。特にお姉ちゃんとか弟が私のせいで学校とかでイジられていたようで。「こうやって言われるんだけど」って聞いたときは、私もちょっと責任を感じたというか、申し訳なかったですね。今は、もう周りで言う人もいなくなったみたいで、「本出すの? おめでとう。ちょうだーい」みたいな(笑)。

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