特集「コロナ以降のカルチャー テクノロジーはエンタメを救えるか」(Vol.5)

キズナアイが考える、コロナ以降の“バーチャル文化” 「カルチャーの進化が前倒しで来る」

「カルチャーの進化が、前倒しで来るのかなと思っています」

ーー特集テーマである“コロナ以降のカルチャー”について聞かせてください。バーチャルタレントの活動は様々で、一括りにはしづらいかと思いますが、新型コロナウイルスの収束以降、このカルチャーはどのように変化すると思いますか?

キズナアイ:難しい質問ですね!? 変化というか、カルチャーの進化が前倒しで来るのかなと思っています。今までより急速に身近に、豊かになるのではと。普段外出が多い方もこれを機に自宅での過ごし方を見つめ直したり、企業も働き方を見直したりしましたよね。それに伴い、自宅の中だけで様々なことがより豊かに、便利に、簡潔に行えるようになるサービスに、ますます需要と注目が集まっています。そして自粛の影響で感じたことは、みんなつながりを求めているということ。おうちにいても、実際に人に会ったりどこかに行ったりしている感覚になれるVRをはじめとしたxR(VRやAR、MRなどの総称)の領域に、事業として手を伸ばしてくれる企業や、サービスに手を伸ばしてくれる人。そんな風に、人間のみなさんがもっとバーチャルに参入して母数が増えると、Vカルチャーはより身近に、豊かになっていくのではないでしょうか。そうなれば私も相対的に、もっとナチュラルに受け入れてもらえるので嬉しいです!

ーーコロナ以降、ライブストリーミングも積極的に行われているように感じます。リスナーさんとのやりとりで、印象に残っていることはありますか?

キズナアイ:私の配信で気が紛れたり、楽になったり、元気になった人を見ると嬉しいです! 特にGWは、例年絶好のお出かけ日和でついついお外に出たくなっちゃうし時期ですし、暇を持て余してしまう人もいるんじゃないかと思って、先ほどの「hello, world」配信企画や『バイオハザード7』の10時間コメンタリー配信などを行ってみたんです。それを見て「あっという間で時間忘れちゃった!」と言ってもらえたのは嬉しかったです。

ーーこの大変なタイミングということもあり、独立して活躍していくキズナアイさんの姿は、バーチャルタレント業界の希望になっていくと思われます。最後に、ご自身がバーチャルタレントの業界、もしくはもう一つ二つ上のレイヤー(日本や世界)に対し、どのようなアクションを起こしていきたいかについても聞かせてください。

キズナアイ:ありがとうございます。新しくもあり、当たり前である存在になっていきたいです。スマートフォンみたいな感じでしょうか……! 当たり前にあるけど新しいものを運んできてくれる、新しい体験が詰まっている。そうなるためにはまず、とにかく発信し続けて、みなさんの目に映り続けることが大事だと思っています。(初音)ミク先輩だってそうやって根付いて、文化をみなさんと作っていったんだと思うんです。だからとにかく挑戦して、自身と環境や取り組みをアップデートし続けてみんなの目に、意地でも映り続けたいです! そして新しいものを、私を通じて届けられたら最高ですね!

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