『LoL』がカードゲームに!? 『レジェンド・オブ・ルーンテラ』プレイレビュー

『レジェンド・オブ・ルーンテラ』プレイレビュー

 あの『リーグ・オブ・レジェンド』と世界観を共有するデジタルカードゲーム、『レジェンド・オブ・ルーンテラ』がいよいよ2020年5月1日からβシーズンを終え、一般リリースされる。現在はプラットフォームはPCのみだが一般リリース開始後からはモバイルでもプレイ可能になる。

 この記事では他のデジタルカードゲーム(DCG)とは一風変わっていて、かつ魅力的なゲームシステムを持つ本作についてご紹介したい。

ルーンテラのゲームシステム

 『ハースストーン』に端を発するDCGは、基本的なゲームシステムとルールが『ハースストーン』に倣っているような作品も多い。

 だが『レジェンド・オブ・ルーンテラ』のゲームシステムは『ハースストーン』ライク、というよりはトレーディングカードゲーム(TCG)である『マジック・ザ・ギャザリング』の戦闘フェイズをひたすら繰り返すようなプレイ感が特徴的だ。

 以下本作のゲームシステムについて簡単に説明するが、『レジェンド・オブ・ルーンテラ』のシステムはかなり複雑だ。実際にゲームプレイを重ねなければ全貌を理解することは難しいと思われるので、読んでいて「よくわからないな」と思ったら読み飛ばして次の見出しを読んでいただいても構わない。

 まず『レジェンド・オブ・ルーンテラ(以下『ルーンテラ』)』が他のDCGと大きく違うのは、カードをプレイする権利が交互に移り変わる点だ。この権利は優先権と呼ばれ、プレイヤーAがカードを場に出すと、今度はBがカードを出す権利(優先権)を得る。そしてBがカードを出し、またAに優先権が移る。AとBの両方が優先権を放棄したら次のフェイズに移る、といった流れだ。

 『ルーンテラ』には自分のターン、相手のターンといった概念はないに等しく、自分が優先権を持ってさえいればカードをプレイできる。

 デジタルではないアナログのカードゲームでは、お互いのターンにお互いのプレイヤーがカードをプレイできる作品は少なくないが、デジタルカードゲームでこのシステムを採用している作品はなかなか珍しい。そしてターンという概念の捉え方に関してはほとんど唯一無二と言ってもいいレベルだ。

 『ルーンテラ』では、アタックトークンと呼ばれる”攻撃する権利”を持っているプレイヤーが自身が場に出しているカードのうち、どれで相手に攻撃するかを選択する。

 『ハースストーン』や『シャドウバース』では攻撃するカードは1体ずつスワイプするが、『ルーンテラ』では攻撃するカードは一斉に決めなければならい。そして攻撃する対象は基本的に選ぶことができず、攻撃したカードはブロックされなければ対戦相手のライフを削るようになっている。

 そして攻撃された防御側のプレイヤーは相手のアタックに対して、どのカードでその攻撃をブロックするかを選ぶ。これは『マジック・ザ・ギャザリング』や『デュエルマスターズ』における“ブロック”と似たようなものだと思ってもらってかまわない。

 これが本作の基本的なバトルの流れだが、実戦ではプレイヤーはコストを支払って呪文を唱えることもできる。この呪文は種類ごとにプレイできるタイミングが異なっており、プレイ可能なタイミングが限られているカードほど強力にデザインされている。戦闘中にも使える”クイック”の呪文は、効果自体はそこまで大きくないものの相手の不意をついて戦闘を有利に運べる、といった具合だ。

 デジタルカードゲームの中ではなかなかユニークなシステムで、はじめは面食らうかもしれないが、経験を積んでシステムを理解し始めると本作の持つ奥深い戦略性が味わえるようになる。

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