『FF7リメイク』は本当に“駄作”なのか? 2つの視点から考えてみた
2020年屈指の話題作『FINAL FANTASY VII REMAKE(以下、FF7R)』の発売から約2週間が経ち、ネット上には同作の出来をめぐる賛否両論が巻き起こっている。満を持してリリースされた『FF7R』は“駄作”なのか。2つの視点から同作に対する評価を考えていく。
『FF7R』に集まる賛否の声
『FF7R』を今後プレイしたいと考えている人、今まさにプレイしている人、すでにクリアした人の多くが、ネット上にある同タイトルの評判を一度くらいは見聞きしているだろう。ゲームカルチャーの話題に敏感な人ならば、大して興味がなくともその評判を知っている可能性だってある。『FF7R』はそれほどフリークの注目を集めたタイトルだ。2020年屈指の話題作には発売前後を問わず多くの賛否が集まり、それぞれについて議論が白熱している。まずは界隈のホットトピックとなりつつある同タイトルへの賛否の声を紹介したい。
『FF7R』を取り巻く批評のなかで最も頻繁に語られるのが“分作への是非”だ。同タイトルには、ディスク3枚組で発売されたオリジナル版のストーリーから、“ディスク1の約半分ほどの内容”が盛り込まれた。この調子でいけば完結までに5作ほどが必要となる。大幅にボリュームアップした挑戦的リメイクに、ある程度の理解が得られている一方で、フルプライス(8,980円+税)のタイトルでありながら1本で完結しないスタンスがレビュワーたちの槍玉に上がる機会は多い。
また、プレイ済レビューにおいては“オリジナル版との違い”も話題に上りやすい。『FF7R』ではグラフィック面がオリジナル版から大幅に強化され、一部シナリオや進行、バトルシステム、育成システムなどには抜本的な変更が加えられた。うち、グラフィック強化については大部分のプレイヤーに歓迎されているが、システム面の変更については賛否がわかれる。大きな期待のなか、満を持してリメイクされた不朽の名作タイトルだけに、こうした乖離に黙っていられないファンも少なからずいるのだろう。
『FF7R』に集まる賛否の声は、概ねこのどちらかに分類される。全プレイヤーが諸手を挙げて評価するタイトルとはなれていない現状だ。