AirPods Pro Liteが5月に発表される? Apple製ヘッドフォン登場のリークも
シェア1位のAppleだが……
AirPodsシリーズが属するワイヤレスイヤフォン市場は、Appleが無類の強さを誇っている。調査会社Counterpointが2月に発表した調査結果によると、同市場の出荷数から見たメーカー別シェアはAppleが1位で41%、2位がXiaomi、3位がSamsungと続く。売上からシェアを見ると、全世界の売上が66兆ドル(約7,200兆円)のうち62%をAppleが占め、2位にApple傘下のBeatsが続く(下のグラフ参照)。Appleのシェアが出荷数より売上で大きくなるのは、同社のイヤフォンが相対的に競合他社より高額にも関わらず、売れていることを意味する。
以上のような市場状況において、AirPods Pro Liteがリリースされた場合、Appleはさらに出荷数から見たシェアを拡大すると考えられる。その一方で、売上から見たシェアは微増するにとどまるだろう。というのも、AirPods Pro Liteはリーズナブルな価格になるため、売上への貢献は限定的となるからだ。
ワイヤレスイヤフォン市場において競合他社の追随を許さないAppleだが、同市場自体に懸念材料が存在する。Counterpointが昨年12月に発表した報告によれば、同市場は2022年まで年平均成長率80%で成長すると予想され、この成長は2009から2012年におけるスマホ市場のそれに比肩するものなのだ。だが、周知の通り、新型コロナウイルスの流行により、昨年の市場予測は大きく修正を強いられる。同市場は当初の予想のようには成長する可能性は低く、楽観的に見ても成長が鈍化し、悲観的に見れば横ばいか縮小の可能性がある。AirPods Pro Liteも、Appleが予想していたよりは売れないかも知れない。
ワイヤレスイヤフォン市場の先行きは不透明ではあるが、AirPods Pro Liteがリリースされれば、同市場をある程度は刺激すると見て間違いないだろう。
トップ画像出典:appleinsider「AirPods Pro Lite」まとめ記事から画像を抜粋
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi