『テラスハウス』東京編:第33~36話ーーホラー、コメディ、ロマンスの三種盛り贅沢展開へ

『テラスハウス』東京編:第33~36話ーーホラー、コメディ、ロマンスの三種盛り贅沢展開へ

映画『ミッドサマー』的な“全部見える”ホラー

 34th WEEKにて新たにテラスハウスの仲間入りを果たした新野社長。退職代行サービスの会社を経営し、30歳と他のメンバーよりも少し年上なことから“しっかりしたお兄さん”的なファーストインプレッションを抱かせる。ゲストで訪れた女優・永野芽郁が「社長がダメになっていくところが見たいです!」と言うほどには、“マトモな人間”に見えていたに違いない。

 その真の面白さが開花するにはほとんど時間を要することはなかった。34th WEEK、OL兼グラビアモデルの吉田夢と、大学生でモデルもこなす鈴木志遠が新たに入居。初めて会う前に「夢さんは胸が大きい」という情報を仕入れて、その一点のみに惹かれてしまっていた社長は、夢の帰りを待ち伏せすることに。この時点でもう視聴者は「怖いな~怖いな~」とゾクゾクしはじめるわけだが、そこから夢を巡る社長の恐怖の奇行は止まることを知らない。

 瓶ビールを手渡したかと思えば、初対面にも関わらず“濃厚な”間接キスを決め込み、その夜にはすぐさま「壁ドンで夢を落とす」と言ってみせる。他の女性メンバーもグイグイ食事に誘うものの、やはり夢にロックオンしてしまっているようで、同じく夢に気がある素振りを見せる志遠を警戒してか、ふたりでプレイルームに行った際には、出てくるまで部屋の前で待ち伏せしていた。ふたりが出てきた瞬間に、社長は夢だけをプレイルームに押し戻し、謎の酔ってるアピールの末、これまた謎すぎる腹筋運動を披露し始める。そのまま35th WEEKはまさかの腹筋ENDでドアバタンという、ある意味視聴者側の腹筋が崩壊する展開に。

 これでもまだまだ社長の快進撃は止まらない。クリスマスの夜に夢とのドライブデートに出かけた社長はリップクリームをプレゼントし、「塗ってあげる」と言っては不意に彼女の唇を奪ってしまう。「嫌ではない」という夢のまさかのリアクションもあってか、トントン拍子で事が運んでしまっているが、「(序盤の瓶ビール事件を見て)久々に怖いものを見ました」と悲鳴をあげた永野芽郁の言葉を借りれば、どう考えてもこれは「ホラー」ではないだろうか。

 しかも“瓶ビール”や“リップクリーム”を見せて先の展開を無意識に予想させてしまうあたり、不意に驚かしてくるジャパニーズホラー的な怖さではなく、現在大ヒット中の映画『ミッドサマー』が体現する「ずっと見えているのに(から)怖いホラー」と似た最新型の恐怖体験を視聴者に与えているからさらに怖い。「怖い」という感情だけでなく、次の“怖さ”を求めてしまうエンタメ性が溢れてしまっているのだ。もちろん夢がその言動を嫌がってさえいれば、100%この世に成立してはいけないタイプのホラーではあります。

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