女性YouTuberなぜ活況? エミリン、てんちむ、関根理紗……女性目線でその魅力を徹底解説

歯に衣着せぬ「女友達感」が女性視聴者の心を掴む

 YouTubeのチャンネルや動画を含め、大衆向けのコンテンツは、女性の間で人気が出ることがファンの実数に繋がるとよく言われる。女性ファンのほうが男性ファンと比較して、気に入ったことを周りとシェアしやすく、それがさらにファンを増やすことに繋がるからだ。そういった意味では、女性にとってアイドル的な存在にもなりうる男性YouTuberに比べ、女性YouTuberは視聴者の増加に苦戦しそうだ。そんな中で彼女たちは、実際にはしっかりと女性の心を掴んでいる。

 前述したエミリン、そわんわん、関根理紗を始め、多くの女性YouTuberに共通しているのが「自然体」そして「歯に衣着せぬ物言い」だ。

 ムカつく女性のこと、男性のこと、恋愛について、胸を大きくした方法、月経について……なんでも赤裸々に話す彼女たちが繰り広げる話題は、さながら女友達だけで集まった飲み会、あるいは女子校の教室。多くの女性にとって非常に親近感のある空気感だ。

 てんちむが「手術なしで胸を大きくした方法」をアップすれば、「まな板に悩んでいたので聞けて嬉しい」と感謝のコメント、大関れいかが生理痛でしんどいからとライブ配信すれば、「マジでつらいよね」と共感のコメントが大量に女性視聴者から寄せられる。人気急上昇中の女性3人組、ヘラヘラ三銃士が泥酔したメンバーの様子をそのままアップすれば、「ダメすぎるけどそこがかわいい、なんか親近感わく」と複数の女性らしきアカウントからコメントがつく。

  あるいは品がないと中傷されるリスクのある内容も、こうして積極的に公表していく彼女たちの姿勢が、共感する女性ファンをどんどん増やしていくのだ。

 日々努力して可愛くなっていくのを応援する気持ち、「かわいい」と「面白い」を両立しているコンテンツの魅力、自然体から醸し出される「女友達感」。様々な課題や葛藤を抱え、アンチに傷つきながらもそうしたたゆまぬ努力を重ね、結果として視聴者の心を掴んでいる女性YouTuberたち。

 彼女たちのめざましい活躍により、視聴者たちも自分らしく生きる勇気や、明日を生き抜く活力をもらっていることは間違いないだろう。

■桂木きえ
東大卒YouTubeコラムニスト。92年東京生まれ。会社員ながらもYouTuberが好きすぎて副業ライターとして執筆。YouTube、Tik Tokなどの動画メディアとインフルエンサーについて考察する。Twitternote

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