Apple中国工場、新型コロナウイルスの影響で操業停止 業績への悪影響は不可避か

Apple中国工場が操業停止

再開時期はいつ?

 Foxconnの中国工場の操業再開に関する見通しについては、ブルームバーグが4日付の記事で伝えている。同社傘下の製造業者でアメリカ向け業務において重要となっている企業Hon Haiは2月10日にも操業を再開する、とブルームバーグにメッセージを送った。

 Hon Haiの工場は中国・鄭州市にあり、もうひとつの重要なiPhone組み立て業者であるPegatron Corp社の工場は上海にある(トップ画像は操業時の上海工場内の様子を撮影したもの/ロイター通信『Exclusive: Outbreak to hit iPhone output if China extends Foxconn factory halt - source』より引用)。これらの工場は、新型コロナウイルスの感染源とされる武漢市から500キロメートル以上離れている。こうした地理的事情により、工場の操業再開の指示が比較的早期に出されるかもしれない。

 ところで、工員たちは工場操業停止期間をどのように過ごしているのだろうか。前述の工場操業停止を伝えたロイター通信の記事は、そうした工員たちの処遇についても報じている。武漢市がある中国・湖北省の工員たちは、工場には行かないものも毎日健康状態を管理者に報告している。このような操業停止中の指示に従っている工員に対しては、賃金は通常通り支払われているという。

 操業停止中の指示に背いた工員には、厳しい処罰が下されるようだ。ロイターが入手したFoxconnの2月1付の内部メモによると、指示に背いた工員を報告するホットラインも設置され、報告者には200元(約3,200円)の報奨が与えられる。

 以上のように中国にあるApple製品組み立て工場は依然として操業停止中であり、操業再開の話があるものも、新型コロナウイルスの感染状況によっては操業停止期間が延長されるかもしれない。操業停止期間が長引けば、毎年恒例となっている新型iPhoneの発表と出荷に関するスケジュールに影響が出る可能性もありそうだ。

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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