Facebook四半期決算で明らかになった前年比26%増収 語られる「Oculus Quest」の可能性

Facebook四半期決算にみる『Oculus』の可能性

PC VRの行方

 Oculus Questが好調な一方で、一部のVR市場関係者は(PCベースで動作するVRヘッドセットである)「PC VR」市場は死んでしまうのではないか、と危惧している。Android製品専門ニュースメディア『android central』は30日、PC VRに対する危惧について考察した記事を公開した。その記事では、まず調査会社SuperDataが発表したPC VR市場の売上推移を引用している。2019年の同市場は、前年比で8%減少した。この数字だけ見れば、同市場が縮小する傾向にあると言えるかも知れない。しかし、同記事はこの数字だけからは結論できないとして、ゲームプラットフォーム『Steam』のVRヘッドセットのシェア推移を引用する(下の画像参照)。

Steam「Steam ハードウェア & ソフトウェア 調査: December 2019」

 『Steam』が発表しているVRヘッドセットのシェア推移を調べると、VRゲームのコアなファンは数年前にリリースされた『Oculus Rift CV1』や『HTC Vive』から最近のPC VRヘッドセットである『Oculus Rift S』や『Valve Index』に買い替えたことが推測される。こうした推測から、PC VR市場からユーザが大量に離脱したわけではないことがわかる。

 PC VR市場が急速に衰微しているわけではないにしても、ゲーム環境を構築するのに多額の費用がいらないスタンドアロン型VRヘッドセット、なかでも『Oculus Quest』にこそVRの未来がある、とandroid centralの記事は見ている。こう述べたうえで、今後のPC VR市場はコアなVRファンが支えるよりニッチなものになるだろう、とまとめた。

 Facebookの決算報告の内容やメディアの考察を総合すると、VR市場のメインストリームはスタンドアロン型VRヘッドセット、とりわけ『Oculus Quest』になると言えそうだ。そして、次世代PSVRがリリースされるようなことがあれば、VR市場に新規ユーザが参入してくるかも知れない。

トップ画像出典:Oculus Quest公式サイトより画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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