アバンティーズはなぜ愛されるのか 「お年玉」動画に見る、決して変わらない”好奇心”と“可愛げ”

 人気YouTuberグループ・アバンティーズの「お年玉」動画が面白い。2年前、『大物YouTuberに、お年玉もらえるまで帰れま10!!』と銘打ち、【選抜編】【突撃編】【強奪編】【集計編】と大作動画を投稿した彼ら。当時21歳だった4人が「まだギリギリもらえる年!」と言っていたのが懐かしい。今年「23歳、まだいける」と豪語するそらちぃに、「2年前のギリギリとは?」とツッコミを入れずにはいられないが、それが許されてしまうのもアバンティーズに漂う“永遠の弟感”ゆえだろう。

【選抜編】大物YouTuberに、お年玉もらえるまで帰れま10!!
【選抜編】大物YouTuberに、お年玉もらえるまで帰れま10!!【Season2!!】

 2019年、アバンティーズには大きな変化があった。エイジさんが旅立ち、リクヲが動画活動休止を宣言。楽しい仲間と過ごす時間の尊さ。当たり前につづくと思っていた日々の大切さ。そんなことを改めて痛感した1年でもあった。

 セルフオマージュとなる今年の動画は、あえて2年前の編集とそっくりにあしらわれている。それゆえに浮き彫りになるアバンティーズに訪れた大きな変化を実感するが、逆に彼らの中で決して変わらないものも見つけることができる。それは、彼らがずっとYouTubeを楽しんでいるということだ。

 今や、YouTuberは一つの職業として、広く認知されている。もともとは「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーの通り、趣味や好奇心の赴くままに、動画を撮影し、何にも追われずに投稿していくものだった。だが、好きなことゆえに休むことなく没頭してしまうYouTuberも少なくなく、過労で倒れてしまったという話も聞こえてくる。

 一方で、アバンティーズはもともと「休みへのハードルが低い」と自負してきたグループ。新体制になるにあたって、応援してくれる視聴者への恩返しをしようとがむしゃらになった時期もあったが、今ではまた自分たちのペースに。だからだろうか、彼らの動画には「YouTuberの仕事」というよりも、「気の合う仲間たちの遊びの記録」という空気がずっと消えない。

 「お年玉」動画も、大物YouTuberとのコラボで再生回数が伸びるのは、誰もが予想できるところ。だが、そうしたビジネス的な狙い以上に「勢いにノッてるあの人なら、いくらくれるのかな?」という好奇心が勝っているように感じる。むしろ「お年玉を口実に、人気者に会いたい」という、ミーハー心さえも見え隠れする。そこが、アバンティーズの可愛げなのだ。

 2年前の動画でもHIKAKINにアポイントが取れたとき、思わず「集まれ!」と大興奮していたり、水溜りボンドにLINEで“東海オンエアに”と誤って送ってしまったことに「ヤバい!」と青ざめたり……。先輩を尊敬する気持ちはあるが、変な遠慮はなく。周りからの見られ方よりも、自分たちの喜怒哀楽がまっすぐに出る。そんなふうに甘えられたら、誰もがその気持ちに応じずにはいられない。

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