『CES 2020』が開催中 環境問題や自動車の未来など、米国で挙がる“疑問”への答えは見つかるか
車内のニュースとエンタメの未来はどうなる?
『CES』は、自動車ビジネスのショーケースという側面も持ち合わせている。車はかつて、ラジオを通じて音楽やスポーツ中継などの娯楽や、天気やニュースという情報を得るハブのような空間だったが、携帯電話とのBluetooth接続、Waze、Spotify、ポッドキャストへのアクセスを通じて、その環境は劇的に変化、拡張した。
さらにライドシェアリングと自動運転車の拡大が加わることによあり、車内のコンテンツ・エクスペリエンスの未来にも、変革が訪れるだろう。Homonoff氏は「すべての車が、単にアプリのオープンポータルになるのか、他の分野同様GoogleやAmazonなどに支配されるのか、その答えを提示してくれる企業が一つでも多いことを祈る」と結んでいる。
ドローンは真の消費者利益を明示できるか?
ドローンもまた、多くの議論が行われるべきテクノロジーだ。効率的な宅配など、確かに利便性の高いサービスを求める声は大きいが、特に公共の安全性をどう担保するかは、大きな課題として残されている。そうした有形無形のコストも含めて、ドローン技術は真の消費者利益を明示することができるのか。Homonoff氏は「政府の政策決定の速度を考えると、早期に思慮深く効果的な自主規制を期待するほかない」と慎重な姿勢を示している。
テクノロジーで先を行くアメリカで投げかけられた、これらの“質問”。『CES』がその答えを提示することができるか、注目して見ていきたい。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。