『パワプロ』楽曲が持つ“パワプロらしさ”の源泉とは? サウンドディレクターに聞いてみた

『パワプロ』楽曲が持つ“らしさ”を聞く

「主題歌を核にしつつ、ファンに喜んでいただけるものを」

ーー今回の『実況パワフルプロ野球 25周年記念コンサート』では、そんな楽曲たちがウインドオーケストラ+バンドサウンドという編成で生まれ変わります。渡邊さんはどのような形で関わっているのでしょうか。

渡邊:サウンドチーム全体で企画、制作に関わっているのですが、私は主に舞台演出を担当しています。

ーー編成、演出面でポイントになっているのはどういった部分ですか?

渡邊:パワプロシリーズのサウンドはバンド編成が主体になっている曲が多いので、そこを再現するという意味でもバンドサウンドは欠かせませんでした。そして応援歌といえば吹奏楽ーーウインドオーケストラだろうということになり、こういった編成になっています。選曲については、これまでの主題歌を核にしつつ、シリーズのファンに喜んでいただけるものを考えました。とはいえ、『パワポケ』まで入れるとシリーズで1000曲を超えるので、選曲作業はかなり大変でしたが……(笑)。最終的には幅広い世代の方に楽しんでいただけるようなラインナップになったので、楽しみにしていてください。

ーーこのように一つのコンサートにするにあたって、選曲・編曲面で大変だった部分を教えてください。

渡邊:パワプロアプリのメドレーをやろうと思っているんですが、アプリ版の(サクセスで使う)高校は、かなり個性的で音楽ジャンルもバラバラに作ってあるので、メドレー形式で違和感なく繋げるのが大変でした。

ーーこのコンサートならでは、という演出も考えられているのでしょうか。

渡邊:間違いなく皆さんに楽しんでいただけるような仕掛けは用意しています。また、コンサートの直前にアプリ版の楽曲も新たに収録したCDが発売されるので、コンサートの予習にも使っていただけるかもしれません(笑)。

 

ーー最後に、今後のパワプロシリーズで音楽的に挑戦してみたいことを教えてください。

渡邊:全体的に、ゲーム音楽は演出ありきなので、その演出に「これしかない!」と思ってもらえるようなBGMを作っていきたいです。個人的なことを言えば、ここ数年はロバート・グラスパーをはじめとした『Jazz The New Chapter』で取り上げられているシーンの音楽がすごく好きなので、本当はパワプロの音楽でもレイドバックしたビートを入れてみたいな、なんて思ったりしています(笑)。

ーーそれ、すごく聴いてみたいです。

渡邊:ゲームミュージックなので、ヨレてるんじゃないかと言われるのが怖いんですよ……。『プロスピ(プロ野球スピリッツ)』シリーズだとそういう色を出していっても許される可能性もあるので、そちらの楽曲で試すことになるかもしれません(笑)。

(取材・文=中村拓海)

(c)2019 Konami Digital Entertainment

■関連リンク
実況パワフルプロ野球 25周年記念コンサート公式サイト
パワプロ ポータルサイト

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