週末に一気見したい、名作ゲーム実況シリーズ 『最強のバッターをつくろう!【パワプロ2012実況】』

 週末の予定にぽっかり穴が空いたとき、一気見したいニコニコ動画の名作ゲーム実況シリーズ(完結済み)をレコメンドする本企画。野球日本代表=侍ジャパンがオーストラリア代表と激突する「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」が開かれるこの週末、野球ファンにもオススメしたい、やり込み系のシリーズを紹介しよう。

理不尽に耐え、ついに生まれる最強選手

最強のバッターをつくろう!【パワプロ2012実況】
最強のピッチャーをつくろう!【パワプロ2012実況】
 
 KONAMIによる野球ゲームの金字塔『実況パワフルプロ野球』(パワプロ)シリーズは、オリジナル選手を育成する「サクセスモード」が一つの大きな魅力。生放送でプレイする実況者も少なくないほか、プレイ動画も数多く投稿されているが、なかでも異彩を放つのが、「ただてる」氏による「最強のバッター(ピッチャー)をつくろう!」シリーズだ。「最強のバッターをつくろう!」のパート1が投稿されたのは、2013年11月23日。現在では300万再生を超えており、ゲーム実況ファンには知られたシリーズになったが、繰り返し視聴してしまう魅力がある。

 本シリーズは、まず育成する選手を「厳選」することから始まる。つまり、低確率で出現する「天才型」ーー初期能力が高く、かつ育成コストが抑えられる「センス○」という特殊能力を持つ選手に当たるまで、リセットを繰り返すわけだ。「最強のバッターをつくろう!」で最初の天才型選手が生まれるまでには、実に500回以上のリセットが行われている。

 サクセスモードは育成中のリセットにペナルティがあり、ここからはやり直しがきかない。慎重にゲームを進めることになるのだが、次なる難関として、パワプロ名物「ダイジョーブ博士」の肉体改造手術がある。成功すれば大幅なパワーアップが見込まれ、本シリーズではこれを前提に「最強」の定義がなされている。しかし、確実に発生するイベントではなく、さらに成功率より失敗率の方が高いという仕様で、「厳選」と育成をくぐり抜けた後も、高い確率でその努力が水泡に帰してしまうのだ。

 これは「ただてる」という実況プレイヤーの特徴でもあるが、「自分では時間的/技術的にできないやり込みプレイ」というのは、ゲーム実況動画を観る価値の一つだろう。ただ、本シリーズ以上に気が遠くなるような試行回数を重ねる動画や、神業とも言えるスーパープレイを見せる動画は少なくない。そのなかで彼の動画が人気を集めたのは、他シリーズも含め、企画のキャッチーさと、ときに塾講師のように丁寧な解説を行い、ときに魔王のような邪悪さをのぞかせるトークの面白さがあるからだろう。

 さて、苦労を重ねた末に誕生した「最強のバッター」と「最強のピッチャー」は、横浜DeNAベイスターズに入団することになる。おまけ動画として、コンピュータによる自動プレイで、規格外の能力を持つ彼らが引退までにどんな成績を残すのか、というテストも行われており、育成の様子を見守ってきた視聴者は、実在の選手を応援するように動画にのめり込んでいた。

 ちなみにこの「ただてる」氏は2015年11月、サッカーゲーム『FIFA15』の実況動画「日本人だけで世界最強のクラブをつくろう!」(チームエディットで世界中の強豪チームを一つのリーグにまとめ、日本人だけのチームで優勝を目指す、という企画)のパート36を投稿したあと、シリーズの途中で「失踪」中だ。いまでも、動画には復帰を待ち望むコメントが書き込まれている。帰ってこい、ただてる!

(橋川良寛)

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