YouTube「子供向けコンテンツ」規制強化、米国でも混乱広がる 収益は最大で90%減に?
YouTubeは11月12日「すべてのクリエイターに向けた重要なお知らせ: COPPA(児童オンライン プライバシー保護法) への準拠」という動画を投稿し、ポリシー変更について説明した。
YouTubeは、サービスをCOPPAに準拠させるために、大きな変更を行う。13歳未満向けのコンテンツは、チャンネルまたは動画レベルで申告が必要で、申告がないものも、機械学習システムで判定するという。
検出される要素は「子供もしくは子供のキャラクター」「人気の子供向け番組やアニメ キャラクター」「子供のおもちゃを使用したお芝居や物語」「ごっこ遊びや創作遊びなど、子供が主役の一般的な遊び」「子供向けの人気の歌、物語、詩」等だ。
自動システムが完璧ではないことを認めつつも、違反が著しいアカウントには、何らかの処置が下る可能性も示唆している。
この変更による、一番大きな影響は「収益化」だろう。13歳未満をターゲティングするための情報収集が違法と判断されたことで、子供向け動画には、パーソナライズド広告が表示されなくなるほか、動画へのコメント、インフォカード、終了画面も利用できなくなることが示唆されており、チャンネル全体が子供向けの場合、ストーリー、コミュニティタブ、通知、「保存して後で見る」「再生リストへの保存」ができない。
日本語でも、「YouTube.com の子供向けコンテンツに関して今後予定されている変更点」としてまとめられているので、こちらを確認してほしい(参考:https://support.google.com/youtube/answer/9383587?hl=ja)。
COPPAは米国の法律だが、YouTube は全世界で2020年1月よりこの変更を適用するという。
米連邦取引委から1億7000万米ドル罰金、子供を顧客に売り込んだ
『Tubefilter』の行った実験では、ターゲットされたパーソナライズド広告がないと収益が60%~90%減少するという結果が出た。
Is A YouTube COPPAcalypse Coming? FTC Rules Could Start Demonetizing Creators In 2020
アメリカ連邦取引委員会(FTC)は、YouTubeと親会社のGoogleに児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反しているとし、1億7000万米ドルという記録的な制裁金を科した。
FTCとニューヨーク州司法長官は、YouTubeが子供向けチャンネルの視聴者からインターネット経由で個人情報を収集し、事前に親に通知して同意を得ることもなかったと断じている。YouTubeはCookieを使用して、これらのチャンネルの視聴者にターゲットを絞った広告を配信し数百万米ドルの収益を得た。FTCのジョー・サイモンズ委員長は「YouTubeは、子供層へ人気があることを、顧客に売り込んだ」と厳しく追求している(参考:https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/09/google-youtube-will-pay-record-170-million-alleged-violations)。