SHOWROOM前田裕二、ニッポン放送とコラボ&24時間本作りに成功 関ジャニ∞大倉らも参加の1日に密着

SHOWROOM×ニッポン放送コラボ1日密着

 ここで、再びステージに箕輪を招き、本のタイトル決めへ。「コアと市場」「プロデュースの民主化」という仮タイトルを経て、リスナーのコメントにあった『ギフトのあけ方』に満場一致で決定。タイムリミットが少しずつ迫る中、前田は自身がパーソナリティーを務める夢の舞台『前田裕二のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)へと向かう。

 『前田裕二のオールナイトニッポン』のゲストは、関ジャニ∞の大倉忠義、電話出演のダルビッシュ有。前田と大倉は、SHOWROOMで配信をしている関西ジャニーズJr.の人気ユニット・なにわ男子を通じての接点もあり、様々な意見を交換している仲だ。前田と大倉は、あすかなの楽曲、MVに注がれるスタッフの愛情、2人を信じる気持ちに感銘。大倉が「大切なのは自分がファンになること。愛を持ってやること」と述べた。さらに、SNSとの向き合い方については、「僕らの裏側を見せ過ぎるのも良くないと思っている」「偶像性が薄れてる」「何か目的があってやるならいいけど、出る出ないもセルフプロデュースだと思っている」と自身の考えを明言した。

 イマジンスタジオに帰ってきた前田は、ここから制作の大詰め作業に取りかかる。28時30分からスタートする『上柳昌彦 あさぼらけ』(ニッポン放送)で上柳昌彦にできた本を渡す約束をしているために、そこまでには完成していないといけない。緊迫した空気の中、間一髪で製本が完成。ギリギリで上柳に『ギフトのあけ方』を渡すことができた。

 29時、イマジンスタジオは感動のフィナーレへ。配信の裏側で本の制作を行っていた箕輪編集室メンバーの目には涙が溢れている。メンバー一同に囲まれ、前田は「人の可能性を最後まで絶対に信じ抜くってことを、あとがきに書いたんです。自分が他人とどう違うかを見つめて、そのコアを拡張していけば、その人の人生はもっと輝くだろう、という可能性を信じて、この24時間やってきました。なんだか、それぞれ違った才能を持つ僕らが手を取り合って何とか一つの奇跡を実現した僕らのこの24時間の挑戦が、偶然にも本の内容と凄くリンクしている気がしていて、妙に心震えてしまって。こんな体験は今までの人生にもなくって、素敵な時間、言い表せないような感動の体験をありがとうございました」と24時間続いた配信を締めくくった。

前田裕二24時間完走後インタビュー

ーーまずは、「ギフトのあけ方」の完成おめでとうございます。上柳さんに渡すまでの時間は、とてもスリリングでした。朝の5時に13万人が視聴しているってすごいことですよね。

前田:僕らの目的が、リスナーの目的にすり替わっていく、共犯関係になれた。どのリスナーとも同じ目的感を共有して、新しい物作りのあり方を体感できたなと思います。

ーー今回の放送はプロデュースという本質に迫る内容になったわけですが、前田さんの中でプロデュースについての考え方や価値観は変わったりしましたか?

前田:大きく価値観が変わったわけではなく、どちらかというと、ぼんやりと思っていたことが綺麗に整理整頓、言語化されたという感覚です。「私、どういう風に見せ方を変えたらいいんですか」と言われた時に、今までは明確に体系立てて説明できていなかったんですね。誰にとっても汎用的な一旦のフォーマットを作り上げることができたので、そこが一番の大きな変化かなと思います。

ーー「ニッポン放送×SHOWROOM」という組み合わせに、前田さんが想定していた狙い、期待していた化学反応はありましたか?

前田:当初の目的であった「放送と通信の熱量交換」によるシナジー創出は、大成功だったかと思います。狙い通り、SHOWROOMがラジオ側の熱量を受け止めることができ、一方でSHOWROOM側の熱がラジオにも伝播していった。実験第1弾としては、上手くいったと言っていいと思っています。ラジオの熱量を基軸に、インターネットという別の場所に新しい媒体価値を創出することが出来たのは大きい。ここに、今回でいうと森永さんのラムネやアサヒ飲料さんのウィルキンソンなどのような新しいプロモーション施策が紐付いてくると、本当にラジオの収益可能性がより拡張していくだろうなと思います。これが、元々最初にニッポン放送と組んでやりたかった事でもあります。

ーーもし、前田さんが今回の第2弾をやるとしたら、次はどのような企画になりそうですか?

前田:「制限時間以内に何らか具体的なアウトプットを作る」というのが最高にいいなと思ったので、この軸はずらさずに、別の何かに挑戦したいですね。小説なのか、はたまた楽曲なのか。でも、楽曲だと、ちょっと本に比べて難易度が下がっちゃうかもしれませんね。少ない人数でガーッと作るような。本は、今回でいうと総勢50名以上の共同作業になったので、分野は変われど、最低この規模以上の何かにまたトライしたいですね。

ーー楽曲制作と比べると、今回の方が一体感は大きいのかもしれないですね。

前田:そうなのかもしれません。同じような領域で、本以外の何かを探してもいいかなとは思いますけど。一個のアウトプットに向けてみんなが頑張るということに、非常に意味を感じました。チームで一人じゃ成し遂げられない大きな可能性に挑戦することっていうのが、まさに、今回テーマの一つに据えた「義援金による被災地サポート」とシンクロしますよね。一人じゃ乗り越えられない大変な困難を、みんなで手を繋いで乗り越えて行こうよ、と。そういったメッセージを、この1日でほんの少し皆さんにお伝えできたかなと思います。

 例えば、誰かにプレゼントを贈る時、プレゼントという物理的な物体そのものよりも、何が似合うかなとその人のことを考えたりして、「心」が傾けられた度合いの方が重要だ、と話にも近いのかもしれませんが、義援金を送る行為自体そのもの以上に、プロセスで生まれる感情に価値があるのかもな、と。つまり、被災地を応援したい!と立ち上がったみんなが、その大義のもとに色々と試行錯誤して、「みんなの力で被災地にサポートを届けるんだ」という感情をリスナーとも共有しながら、それをどんどん大きくしていった。単純に義援金を送ることにももちろん価値がありますが、そうしたお金という物理的な支援から生まれる「外面的価値」に加え、ゴールを目指す過程でみんなの心の中に生まれた「内面的価値」も一つ、かけがえのないものになったような気がしています。

(取材・文・撮影=渡辺彰浩)

■関連リンク
SHOWROOM 公式HP

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる