Travis Japanは世界から認められるグループに? オースティン・マホーンとのコラボを見て

 Travis Japanのグループ名は、かつてマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」で振付師を務めたことで有名なトラヴィス・ペインから、直接指導を受けたところに由来している。ダンスが言語の壁を超える経験は何度もしてきた。指示された振りを丁寧に体で表現することで伝わり合うのが、Travis Japanのコミュニケーションだ。

 リハーサル風景を見て、何よりも驚かされるのはターンの速さ。キレのあるダンスとは、一つひとつの動きの切り替えが素早いことが大前提。広げた腕を戻す、体の動きに顔を持っていかれないように耐える……そんなふうに支える側の筋肉が必要となる。海外からやって来たダンサーたちのボディラインを見れば、そのフィジカル面の強さは伝わってくるが、Travis Japanもしっかりとその動きについていくのだ。

 さらに、川島如恵留に至っては、本番ギリギリまで別の仕事が入っていて、ぶっつけ本番となる事態も。「ノエルならできると思います」と七五三掛龍也の確信めいた言葉に、彼らが乗り越えてきた舞台の数々を彷彿とさせる。開演30分前に到着した川島自身もいい緊張感をまといつつも「何も変更がないといいな。変更があるといろいろバタバタしちゃうから」とリラックスした表情。改めて彼らが持つスキルの高さ、育まれた絆、何よりも一人ひとりのハートの強さに敬服する。

 そして迎えた本番。円陣を組むと宮近海斗が「今日も1番楽しんだ人が勝ちということでどうでしょうか?」とメンバーに声をかける。「おお!」「勝ちにいきましょー!」と笑顔で答える6人。こんなふうに、どんなに厳しい状況も、手を合わせて挑んできたのだろう。

 舞台裏では松田元太が「マイファーザー!」とオースティン・マホーンに肩を組む。そんなフワフワとした雰囲気の彼らだが、ステージに上がるとその表情は一変。ぜひ、その気迫に満ちたパフォーマンスを『「VOLCANO」(AUSTIN MAHONE Japan Tour 2019@横浜アリーナ)』の動画で確認してほしい。

 ジャニーズJr.のトップを駆け抜けるTravis Japanの底力、ここにありという仕上がり。松田の「ファーザー」発言を受けて、オースティン・マホーンからも「ファミリーのようだ」と信頼されるステージを披露した彼ら。Travis Japanが見据えるのは、ワールドツアーだ。世界から認められるグループに。彼らの言霊が叶う日が、いつか必ずくることを信じて待ちたい。

(文=佐藤結衣)

Travis Japan【AUSTIN MAHONE】Japan Tour 2019の裏側公開!
Travis Japan「VOLCANO」(AUSTIN MAHONE Japan Tour 2019@横浜アリーナ)

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