瀬戸弘司が体現する「好き」を見失わず生きられるリズム 誕生日を機にその魅力を再考

 瀬戸弘司が、本日39歳の誕生日を迎えた。定期的に動画をアップし続ける他のYouTuberたちに比べて、彼はときどきYouTube上からいなくなる。数ヶ月も音沙汰がないこともしばしばで、「これからは動画の更新頻度を上げていきたい」という決意表明を何度聞いたかわからない。そんな“上げる上げる“詐欺を繰り返しても許されるのは、なぜなのか。

 筆者が瀬戸弘司を知ったのは、「YouTuber」という言葉ができる少し前のことだった。たしか、きっかけは2012年に発売された『ガリガリ君 コーンポタージュ味』だったと思う。あのアイスを電子レンジで温めていた姿は衝撃だった。生活感溢れるリビングで撮られた動画に、なんだか新しく知った人の家に呼ばれたような気分になったのを覚えている。

ガリガリ君リッチ コーンポタージュ味を飲んでみた!

 ほしかったものを手に入れた喜び、面白いものを見つけたという楽しさから、いつしか「ぷ〜ん」とビニールを投げながら開封するスタイルを確立。テンションに任せているように見えて、細かな情報までしっかりと網羅しているのは、凝り性な性格ゆえだろう。

 舞台俳優を経験してきた表現力、イラストや音楽を作り出す器用さ、できるだけ丁寧に美しく解説してみせる生真面目さも、彼の動画から感じることができる。新しく発売されたカメラやスマートフォン、パソコン、タブレット、電子ボード、楽器、PCバッグ……など、話題の新製品の解説は瀬戸弘司が紹介するのを待ちわびたほどだ。

 加えて、なぜか彼は不良品を掴まされることも多い。まさか返品することになるとは思わず、箱の裏に落書きをしてしまったことも。さらに、それがメーカー側で発見され、大切に保管された『サザエさん事件』も大いに笑わせてもらった。

 そして、気づけば「YouTubeの広告収入だけで生活ができるようになった」という新しい生活スタイルが生まれたこと、動画クリエイターのプロダクション“UUUM”ができたこと……時代が変わったことを彼の動画で知ったのだ。

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