RAS・夏芽が語る、アニメ『BanG Dream! 2nd Season』モーションキャプチャの裏側

　アニメ、ゲーム、コミック、声優によるリアルライブなど様々なメディアミックスを展開する次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!（バンドリ！）』について展開中の特集【アニメ『BanG Dream! 2nd Season』の3DCGはどのようにして生まれた？　制作陣を徹底取材】。今回の『BanG Dream! 3rd Season』モーションキャプチャ撮影現場取材前編では、柿本広大監督・映像制作を担当している株式会社exsaの新家勇太氏と佐藤純恵氏・アクターの木須実怜花、すぎやまみき、Asucah、牛谷琴音のインタビューを届けてきた。

　後編では、RAISE A SUILENのメンバーでありながら、自身でマスキングのモーションアクターも担当する夏芽をインタビュー。ライブとモーションキャプチャ撮影の違いや、マスキングならではの叩き方、ライブシーンの見所などについて、存分に語ってもらった。（編集部）

 「『ほんとにマスキングがライブしてる！』ってテンション上がりました」

――実際にプレイヤーとしてRAS（RAISE A SUILEN）のドラムを叩くのと、モーションキャプチャのアクターとして参加するというのは、やはり別の感覚なのでしょうか？

夏芽：気分としては別なんですけど、ライブでやっていることをそのままやらせていただいているので、実際にはそこまで変わらないかもしれません。ただ、ライブは勢いをつけて乗り切る部分があって、それがモーションキャプチャとなると、今までよりも自分の動きの１つひとつが気になりますね（笑）。いつもより動きが小さくならないように意識したり。

――『BanG Dream! 2nd Season』でも、ご自身でモーションキャプチャのアクターを務めています。実際にオンエアを見て、どう思いましたか？

夏芽：「ほんとにマスキングがライブしてる！」って、めっちゃテンション上がりました（笑）。実際にライブで重要視しているキメポイントが、アニメでもそういう風に映っていて「やった！」と思ったのを覚えています。あと、動きとは別に、楽器をすごく細かく作っていただいたことに感動しました。シンバルの細かい溝だったり、ハードウェアの細かいところだったり、左側に置いている穴あきのシンバルの影が下に出ていたり……「あー！　すごい！！」って。

――実際にライブシーンを見たファンの方が「これ絶対本人でしょ」と呟いていたりしました。

夏芽：そう言っていただいていると知って、よく見ていただいているなと驚きました。

――細かい仕草がモーションにも表れているんだなと思わせるエピソードですね。

夏芽：ライブの感じが伝わったらいいなと思って、あまり変えずにやったので、その成果が出ていると思います。ライブはもう少しマスキングに私自身の要素も入れて叩いているところもあるんですけど、モーションキャプチャでは、完全にマスキングになりきったつもりでやっているんです。

――夏芽さん自身が考える、「夏芽さん自身ではないマスキングの部分」はどういうパフォーマンスに表れているんでしょうか？

夏芽：そうですね、やっぱり“狂犬”なのでそれらしい動きをしなければと（笑）。荒々しさは意識して、常に頭も振っています。

――叩いているところ以外の動きにも出ていると。

夏芽：そうですね。あんまりじっとしていないかもしれません（笑）。でも、ただガチャガチャしている感じにはならないように、メリハリを付けて、動くところと抑えるところを分けてはいます。反対に、ライブの時に出る私らしさってなんだろうと考えると、「笑顔」だったりするんです。彼女はあまり笑わないクールなキャラなので。

――先日メットライフドームのライブで、まさに笑顔で叩いている瞬間を見させてもらったので、すごく納得しました。前期と今回を含め、実際にモーションキャプチャの現場を経験してみて、アニメ『BanG Dream!』におけるライブシーンの面白さをどう感じましたか？

夏芽：たとえば、プレイバックするときにはアクターの動きと別に、モニターにキャラクターが動く様子も映るんですよ。あれを見て、アニメの世界だけど皆がそこにいる感じがして。面白いし嬉しいし、なんだか変な感覚になりました。あと、アクターさんのすごさにも圧倒されましたね。動きの研究をしっかりとされていて、とくにチュチュなんか、本人にしか見えませんでしたもん。