ロバート・ダウニー・Jr. 、ロボット工学駆使した環境保護団体設立 本物のアイアンマンに?

R・ダウニー・Jr. が環境保護団体を設立

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開され、いまやアイアンマン俳優として世界中で知られるようになった、ロバート・ダウニー・Jr。足掛け11年、 マーベル・スタジオが製作するヒーロー映画の顔を務めあげてきた。そんなロバート・ダウニー・Jr(以下RDJ)が、2019年6月、驚きの記者会見を行った。なんと、ロボット工学とナノテクノロジーを駆使して、10年間で地球をクリーンにするという大計画を発表したのだ。(参考:https://bigthink.com/technology-innovation/downey-jr-environment

 RDJによれば、2020年4月に新しい環境団体、“Footprint Coalition”を立ち上げ、地球環境を改善する活動をしていくのだという。

 また、本発表と同月にRDJは、サメに襲われ怪我を負った、RDJファンの17歳の少女に対し、同団体の大使になってくれるようSNSでメッセージを送った。そのなかで団体が海洋環境の保全や海洋生物の保護をも目的とすることを明らかにしている。(参考:https://www.geek.com/news/robert-downey-jr-sends-special-message-to-nc-shark-attack-survivor-1793125/

「えっ、それって本物のアイアンマンこと、トニー・スタークそのものでは!?」

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(c)2019 MARVEL

 一連の報を聞いた、マーベル映画が好きな観客たちは、思わずそう考えたことだろう。そう、トニー・スタークとは、自らの手で開発したパワードスーツを装着することで、スーパーヒーロー“アイアンマン”に変身して悪と戦い、アベンジャーズに参加して地球を救いながら、同時に巨大企業を社長として経営し、ロボット工学から人工知能のプログラム開発まで、一人でやってのける天才科学者でもある。そんなスターク社長を演じるRDJが、まさにテクノロジーによって正義の活動を行おうというのである。 

 気になるのは具体的なテクノロジーである。まだ何も明かされてはいないが、ナノテクノロジーが環境に好影響を与えるとすれば、大気や土壌などの汚染に対し、その原因となる化学物資をナノレベルで分解するという技術が考えられる。さらに、そこにロボット工学が加われば、広大な範囲の汚染を自動で処理するようなシステムが確立できるかもしれない。計画がこのようなものだとすれば、それはまさにトニー・スターク的発想だといえるだろう。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(c)2019 MARVEL

 素晴らしい理念と姿勢だが、さすがに(完全にではないとは断っているものの)10年間で地球をクリーンにしていくという計画は、あまりに壮大過ぎるように聞こえるし、「トニー・スタークを演じたことで現実と役の区別がつかなくなっているのでは?」……という、心配が混じった感想を持たれるのも仕方のないことかもしれない。 

 『アイアンマン』(2008年)の監督ジョン・ファヴローは、トニー・スタークの役をRDJに演じさせるよう、マーベル・スタジオに猛烈にプッシュしたのだという。それは結果的に、ヒーロー映画の隆盛に大きく貢献することになるのだが、当初はスタジオ側が二の足を踏んでいたこともたしかである。なぜなら、RDJは若い頃から演技力を評価されるスター俳優ではあったものの、違法薬物の使用問題から、一時期映画業界から見放されるという、反ヒーロー的な存在だったからだ。

 TVアニメ『ザ・シンプソンズ』では、シンプソンズ一家がハリウッド観光をするエピソードで、RDJが警官と銃撃戦を行っているシーンが出てくる。その様子を見て一家の一人が「さすがハリウッド、いつでも撮影をしているのね」と感心していると、それは撮影ではなく、本当に警官と銃撃戦をしているだけだった……こんなギャグが描かれたように、一時期のRDJといえば、犯罪イメージがつきまとっていたのだ。

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