スカイピースが語る、YouTuberとしての現在地と「変わらないために、変わり続けること」の重要性
「表現したいこと、アイデアは一生出てくる!」(テオ)
――エンディングテーマとなった「Ride or Die」の歌詞は、どのように作られたんですか?
テオ:いつもは、歌の入っていないトラックを聞いて、それぞれ詞を書いているんですよ。たとえば僕がサビを担当する曲だったら、サビと自分のパートを作詞して、☆イニ☆たんに渡して残りのパートを作詞して提出するという流れです。でも「Ride or Die」の場合は、ちょっとイレギュラーで……。今回は僕がサビを書いていたら自分のパートがなかなか進まなくて。初めての3拍子の曲だったのもあると思うんですけど。だから、今回は「☆イニ☆たんから自分のパートを書いてほしい」って頼んだんですよ。そういう流れで作ったのは、この曲が初めてですね。
☆イニ☆:自分も3拍子の曲に詞をつけるのは初めてだったんで、めちゃくちゃ苦戦しました。メロディがなかなかハマらなくて。でも、苦戦はしたものの仕上がりはすごく気に入ってます。
――先に相手が書いている言葉を見ながら、詞を綴っていくんですね。
テオ:はい。ふたりともサビから書き始めるんですけど、“ここが1番想いの詰まってる場所かな?”って感じながら。だいたい1曲を作詞するのに1日かからないくらいですね。僕らの詞って、ストレートな言葉ばっかりだから(笑)。
☆イニ☆:今回は『BORUTO』のエンディングテーマっていうのがあったので、(甘噛み気味に)忍者の世界観を……。
テオ:ニンジャーの世界観(笑)?
☆イニ☆:そう、忍者erの世界観ね!
――MVでは、ちょんまげ姿も披露されて話題になりましたけど、そうしたアイデアはどこから?
テオ:MVは、何回もお世話になっているチームに撮っていただいてて、監督さんがいろいろアイデアを持ってきてくれるんですよ。「それ、めちゃくちゃいいですね! そしたらこういうシーンも入れたいです」って、僕らもさらにアイデアを出していく感じですね。
――そうした案は、どんどん出てくる感じですか?
テオ:そうですね。YouTuberとして1年間で365本以上の動画を出してるんで、本当に毎日いろんな経験ができているんですよ。そのなかで、“こういう曲が作りたいな”とか、“こういう想いをみんなに届けたいな”っていうのが出てきて……うん、一生出てきますね(笑)。
☆イニ☆:一生(笑)。そこは僕らの成長したところですね。
――今回のアルバムの中で、思い入れのあるフレーズなどはありますか?
テオ:僕は「分かれ道」の〈正直悔しいよ でも僕にできるのは君の選択に後悔を残させないことだけ〉っていう歌詞ですね。この歌は、一緒に夢を目指して駆け上がってきたのに、途中で花が咲かずにあきらめていっちゃう人たちに贈った曲でもあるんです。実生活でリアルに相談されることがあって。「もう無理かもしれない」「やめようかなって思ってる」って言われたときに、自分の中では「やめてほしくない」って言葉が、先に出ちゃうんですけど、でも結局決めるのは相手であって、その人の人生なので。その夢を諦めて違う道を行くキミのことも、後悔が残らないように全力で応援していくね、って思いを込めて歌詞を書いています。
☆イニ☆:自分は「リメンバー」って曲で、〈気が付けばネット歴8年以上で〉っていう出だしのところなんですけど。「分かれ道」にもつながるんですけど、8年以上続けていると辞めていっちゃう人もいるんですよね。新しく始めていく人もいれば、消えていく仲間もいるので。いつか僕も消えていっちゃうのかな、なんて思いながらやってたんで。勉強が全然できなくて、友だちもそんなにいないし、学校から帰ったら、すぐにネット繋いで、音楽作って、マイク持ったら別人になって……ってそういう生活してた昔と今を当てはめてるような歌詞ですね。
――おふたりがピックアップした部分をお聞きしていると、ここまで続けてきたからこそ、の心境が垣間見えますね。スカイピースとしてYouTubeを始めたころと時代も環境も変化していますが、自分たちで変わらないところ、変わったところはありますか?
☆イニ☆:「YouTube毎日投稿」っていうのは、自分たちで決めた最低目標で。それは変わらずに続けてきてるんですけど。一方で、音楽面は新しいことにチャレンジしていくという意味で、パワーアップして変わり続けていこうって思ってて。
テオ:毎日投稿っていう変わらないことを続けていく上で、メジャーデビューをしてやりたいことがどんどん増えていって、今までと同じやり方じゃ毎日投稿ができなくなる、ってなったときに、やっぱり変えなきゃいけない部分もあって。そこで仲間を増やすっていうことを決めました。今は5人でスカイチームとしてやっていて、それが「変わらないために、変わり続ける」ってことだと思っています。