SoundCloud、次の狙いはマネタイズ強化? Repost Network買収の背景に迫る
現在はインディーアーティストに向けた機能に注力しているというSoundCloud。では、Repost Networkを買収した背景は何だったのだろうか。
「Repost Networkは2015年に創業した会社です。もともとは、SoundCloudを専門に招待制でアーティストのプロモーションやディストリビューション、マーケティングツールを提供していました。昨今ではSpotifyやApple Musicでもサービスを提供していましたが、やはり彼らの強みはSoundCloud内でのマーケティングツールです。
現在、音楽配信サービス全体が、インディペンデントなアーティストのマーケティングやマネタイズの向上に力を入れている状況です。SoundCloudも同様に、クリエイターやインディーアーティストに向けた機能を揃えている段階といえるでしょう。おそらくさらなる発展を目指すため、Repost Networkを買収したのだと思います。Repost Networkが提供していたサービスを、SoundCloudのクリエイターがアクセスできるようにする狙いがあるのではないでしょうか。
今回の買収によって、SoundCloudでのマネタイズ方法の選択肢が広がると思います。例えば、プレイリストを活用して楽曲の再生回数を増やしたり、広告を付けたり。アーティストやレーベルが収益をあげられるような仕組みを作り、SoundCloud内でマネタイズのできるアーティスト活動ができるようになっていくでしょう。日本では、まだまだアーティスト活動の軸としてSoundCloudの活用が普及していない状況ですが、日本のインディペンデントなアーティストもSoundCloudに抵抗感を抱かずマネタイズを目指して試していけば、活動の選択肢が広がるのではないでしょうか」
SoundCloudは、インディーアーティスト/クリエイター向けのマネタイズにのりだしている一方、Appleも音楽スタートアップ会社・Platoonを買収して新人発掘/育成に注力し始めている。音楽業界全体として、インディーアーティスト向けの機能導入に注目が集まっているようだ。また、マネタイズ、マーケティング、発掘/育成など……どこにフォーカスしたサービスを展開するかが、各サービスにおいて新規ユーザー獲得の重要な鍵を握ることになるかもしれない。
(取材・文=北村奈都樹)