SpotifyとApple、なぜ論争勃発? 両社の主張を徹底検証
では、この問題が解決されることはあるのだろうか。同氏はこのように続けた。
「この問題がこのまま進むとしたら、今後3つの可能性が考えられるでしょう。1つ目は、Spotifyの主張が通り、EUの制裁によってとAppe Storeのルールに規制が入ること。2つ目は、Spotifyが他社と手を組み、Appleを牽制し続けるための“対Apple音楽連合”を作ること。もしそうなれば、他の企業もSpotify側につくこともあると思いますし、より『Apple対Spotify』の構図が強くなっていくでしょう。
そして3つ目は、アーティストがストリーミング全体に対してレベニューシェア問題の改善を求めること。昨今ストリーミングの問題として、ミュージシャンや作曲家に対して収入が平等に分配されていないことが度々挙げられています。App Storeのレベニューシェアを含めたAppleやSpotifyの利益至上主義的な体制の改善を求めて、アーティスト側が声をあげたり、楽曲を引き上げたり、配信を自らコントロールするなどして動きを見せれば、両社ともアーティストにメリットを与えられるような落としどころを考えるようになり、業界全体がよりアーティストに良い方向に向かうと思います」
長きにわたって平行線を辿る両社の意見。AppleとSpotifyの対立はどのような結末を迎えるのだろうか。双方の動きに注目していきたい。
(取材・文=北村奈都樹)